カーネルの再構築

本文書は FTP サーバにおけるカーネル再構築の手引きである.

目的

カーネル再構築の目的は以下の通りである.

• Ultra ATA/100 カードのサポート
• SCSI カード(Adaptec ULTRA160 SCSI ASC-29160)のサポート
• ギガビットNIC(INTEL PRO/1000T DESKTOP ADAPTER) のサポート

手順

1. パッケージのインストール

以下のパッケージがインストールされていることを確認する. なければインストールする

• kernel-package
• debmake
• file
• gawk
• bzip2
• libbz2-1.0
• libncurses5-dev
• libncurses5-dbg
• mtools

2. ソースの取得

以下のいずれかの FTP サイトから カーネルのソースをダウンロードする。

• ftp://ftp.ep.sci.hokudai.ac.jp/pub/Linux/kernel/v2.4/ (北大(理)地惑専攻 [epftp サーバ])
• ftp://ftp.eos.hokudai.ac.jp/pub/Linux/kernel/v2.4/ (北大地震火山観測センター)
• ftp://ftp.jp.kernel.org/pub/linux/kernel/v2.4/ (kernel.org 日本の本家)

2004 年度 epftp サーバ再構築の際には、epftp サーバから linux-2.4.25.tar.gz をダウンロードする。

カーネルのソースは、「linux-2.4.??.tar.gz」(??は数字)という名のファイルのうち 一番更新日時が新しいものを(??の数字が大きなもの)ダウンロードする。 ファイルのサイズが 25MB - 40MB なので、ネットワーク的に近いFTP サイトを利用 しないと、膨大な時間がかかる。なお、2003年度FTPサーバ再構築時の最新版は linux-2.4.20.tar.gz。

3 ソースの展開

# cp /home/mondo10/linux-2.4.25.tar.gz /usr/src 

# cd /usr/src/

# tar xvzf linux-2.4.25.tar.gz

# mv linux-2.4.25 kernel-source-2.4.25 

# ln -s kernel-source-2.4.25 linux

# cd linux

4 カーネルの設定

# make menuconfig 

を実行し,次の項目を有効にする.

• ATA/IDE/MFM/RLL support -> IDE, ATA and ATAPI Block devices
  • PROMISE PDC202{46|62|65|67} support
  • PROMISE PDC202{68|69|70|71|75|76|77} support
  • special UDMA feature
• SCSI support -> SCSI low-level drivers
  • Adaptec AIC7xxx support
• File systems
  • DOS FAT fs support
    • MSDOS fs support
      • Unix-like file system on top of standard MSDOS fs
  • VFAT(Windows-95) fs support
• File Systems -> Native Language support
  • Code Page 437 (United States, Canada)
  • Japanese charaset (Shift-JIS,EUC-JP)
  • NLS ISO-8859-1 (Latin 1; Western European Languages)
• Network device support
  • Ethernet (1000 Mbit) -->
  • Intel (R) PRO/1000 Gigabit Ethernet support

設定が終わったらExitを選択. Do you wish to save your new kernel configuration? でyesと答える

5 カーネルパッケージの作成とインストール

# make dep

# make-kpkg clean 

# make-kpkg --revision $hostname$date kernel_image

リヴィジョンナンバー($hostname$date)は適当につける. midori20040218 などと、 ホスト名 + 日付 とするとよいだろう。 5 分程度でカーネルのパッケージが作成されるので次のようにしてインストールする.

# dpkg -i /usr/src/kernel-image-2.4.25_$hostname$date_i386.deb

インストール時に boot floppy を作成するか聞かれるのが, この方法では作成できない. 質問への答えはデフォルトで良い.

再起動.

きちんと起動することを確認する. さらに

# dmesg | less

で SCSI カードが認識されていることを確認すること.

/etc/modules内の, 起動時にインストールされるモジュール名をコメントアウトする. (これらの機能はすでにカーネルに組み込まれているので, モジュールとしてインストールすることはできない).