[1.1] 言語環境変数の設定
言語環境変数である LANG と LC_ALL を 日本語用に設定する. 具体的には以下のようにすれば良い.
$ export LANG=ja_JP.eucJP$ export LC_ALL=ja_JP.eucJP
この設定を毎回のログイン時に有効にしたいのならば,
~/.bash_profile
と ~/.bashrc
に
以下のように記述しておくと良い.
export LANG=ja_JP.eucJP export LC_ALL=ja_JP.eucJP
なお, 余談だが言語環境を英語に戻したいのならば, 以下のようにすると良い.
$ export LANG=c$ export LC_ALL=latin1
[1.2] kon (Kanji ON console) のインストール
日本語を見るには, X Window System を用いても良いが, コンソール上で日本語を見る方法もある. それを可能にするのが kon2 パッケージである.
# apt-get install kon2
kon2 は, コンソール上で以下のように入力することで起動できる.
$ kon
すると kon が起動し, 日本語表示可能なコンソールに画面が切り替わる. なお, 終了するには
$ exit
とすると良い. (※ kon 上から X Window System は起動できないので注意!!)
[1.3] 日本語マニュアル (man) のインストール
日本語のマニュアル (man) が見たい場合には manpages-ja パッケージをインストールする.
# apt-get install manpages-ja
既に上記の [1.1] 言語環境変数の設定 が完了しており, X Window System または kon 上ならば 以下のコマンドで man(1) の日本語マニュアルを見ることが出来るはずである. (woody では以下の作業も必要。)
$ man man
[1.4] 日本語ビューア jless のインストールと置き換え
日本語ビューアである jless パッケージをインストールする. なお, potato 版では jless は less に置き換えられ, less を用いて日本語ファイルを見ることが可能だったが, woody 版では jless を使わなければ日本語を見ることが出来ない. このことから, 以下では less を jless に置き換える方法も紹介する.
まずは jless をインストールする.
# apt-get install jless
次に /usr/local/bin/less
から /usr/bin/jless への
シンボリックリンクを作成する.
# ln -sf /usr/bin/jless /usr/local/bin/less
しかる後に, less にて日本語ファイルが読めるかどうかを確認する.
[1.5] 文字コード変換ツール
[1.5.1] インストール
日本語文字コードを変換するためのツールも便利なのでインストールする. DNS サーバでは代表的な変換ツールである nkf, qkc をインストールする.
# apt-get install nkf qkc
[1.5.2] qkc の使い方
簡単に qkc の使い方を紹介する.
$ qkc [オプション] [ファイル名]
オプションには以下のものがある. 詳しくは qkc(1) を参照して欲しい.
オプション 説明 -e 文字コードを EUC に変換 -j 文字コードを JIS に変換 -s 文字コードを Shift-JIS に変換 -u 改行コードを LF (UNIX) に変換 -m 改行コードを CR LF (Windows) に変換 -ma 改行コードを CR (Macintosh) に変換
以下のようにすると, カレントディレクトリの .tex ファイルを 全て UNIX で良く使われる文字/改行コードに変換できる.
$ qkc -e -u *.tex
リダイレクトを用いれば別のファイルに書き出すことも可能である.
$ qkc -s -m euc.tex > shift-jis.txt
2. 日本語の入力 (emacs)
以下では, emacs にて canna を用いて日本語入力が行えるようにする.
[2.1] パッケージのインストール
以下のパッケージをインストールする.
パッケージ 解説 emacs20-dl, emacs20-dl-el, emacs20-dl-dev 1 bite 文字以外の入力が可能な emacs パッケージ canna 日本語変換システム. 他にも skk や wnn といったものがあるが, canna のみを使うつもりならば それらはアンインストールしておいた方が無難. emacs-dl-canna emacs 上で canna を用いて日本語入力を可能にするパッケージ
[2.2] ~/.emacs
の編集
emacs を起動した際には設定ファイルである ~/.emacs
が読み込まれる.
emacs 起動時にデフォルトで日本語変換が可能なように
~/.emacs
を編集する.
$ vi ~/.emacs
以下のエントリを追加する.
(set-language-environment "Japanese") (set-default-coding-systems 'euc-japan) (set-terminal-coding-system 'euc-japan) (set-buffer-file-coding-system 'euc-japan) (set-default-font "-*-fixed-medium-r-normal-*-16-*-*-*-*-*-fontset-standard") (progn (load-library "canna" ) (canna) ) (global-set-key "\C-o" 'canna-toggle-japanese-mode)
上記の設定ファイルを簡単に解説すると,
- 日本語文字コードとして EUC を用いる.
- 日本語変換には Ctrl-o を用いる. (なお, デフォルトで Ctrl-\ が 日本語変換キーに割りあたっている.)
3. 日本語の入力 (kinput)
以下では, kinput-canna にて ブラウザやターミナル上で日本語入力が行えるようにする. なお, X Window System を用いていないのならば 以下の設定は必要ない.
[3.1] パッケージのインストール
以下のパッケージをインストールする.
パッケージ 解説 kinput2-canna canna を用いた kinput パッケージ
4. ユーザへの設定ファイルの反映
上記で日本語の表示・入力をおこなうための設定を行ったが, 以後は, 新たに作られるユーザにこれらの設定が反映されると 便利である. 以下ではその方法を記す.
[4.1] 各種設定ファイルを /etc/skel/
以下に移動
# cp ~/.emacs ~/.bashrc ~/.bash_profile /etc/skel/
/etc/skel
以下に置かれたファイルは,
アカウントが作成される際に, 各ユーザのホームディレクトリにコピーされる.