日本語環境の構築

本ドキュメントは, mail サーバにおいて日本語の表示・入力を 可能にするための手引である.


  1. 日本語の表示
  2. 日本語の入力 (emacs)
  3. 日本語の入力 (kinput)
  4. ユーザへの設定ファイルの反映

[1.0] locale の設定

日本語, 英語の locale の設定を行う

# dpkg-reconfigure locales [Enter]
	

以下の[ ]で Space キーを押すと[*]となるその後 tab キーで< 了解 >にカーソルが移動するので Enter キーを押す.


[ ] en_US.UTF-8 UTF-8
[ ] ja_JP.EUC-JP EUC-JP
[ ] ja_JP.UTF-8 UTF-8

その後標準の locale を選択する画面になるので ja_JP.UTF-8 UTF-8 を選択して終了する.


なお, 余談だが言語環境を英語に戻したいのならば, 以下のようにすると良い.

$ export LANG=c [Enter]
$ export LC_ALL=latin1 [Enter]

[1.2] kon (Kanji ON console) のインストール

日本語を見るには, X Window System を用いても良いが, コンソール上で日本語を見る方法もある. それを可能にするのが kon2 パッケージである.

# apt-get install kon2 [Enter]

kon2 は, コンソール上で以下のように入力することで起動できる.

$ kon [Enter]

すると kon が起動し, 日本語表示可能なコンソールに画面が切り替わる. なお, 終了するには

$ exit [Enter]

とすると良い. (※ kon 上から X Window System は起動できないので注意!!)


[1.3] 日本語マニュアル (man) のインストール

日本語のマニュアル (man) が見たい場合には manpages-ja パッケージをインストールする.

# apt-get install manpages-ja [Enter]

既に上記の [1.0] locale の設定, [1.1] 言語環境変数の設定 が完了しており, X Window System または kon 上ならば 以下のコマンドで man(1) の日本語マニュアルを見ることが出来るはずである.

$ man man [Enter]

[1.5] 文字コード変換ツール

[1.5.1] インストール

日本語文字コードを変換するためのツールも便利なのでインストールする. mail サーバでは代表的な変換ツールである nkf, qkc をインストールする.

# apt-get install nkf qkc [Enter]

[1.5.2] qkc の使い方

簡単に qkc の使い方を紹介する.

$ qkc [オプション] [ファイル名][Enter]

オプションには以下のものがある. 詳しくは qkc(1) を参照して欲しい.

オプション 説明
-e 文字コードを EUC に変換
-j 文字コードを JIS に変換
-s 文字コードを Shift-JIS に変換
-u 改行コードを LF (UNIX) に変換
-m 改行コードを CR LF (Windows) に変換
-ma 改行コードを CR (Macintosh) に変換

以下のようにすると, カレントディレクトリの .tex ファイルを 全て UNIX で良く使われる文字/改行コードに変換できる.

$ qkc -e -u *.tex [Enter]

リダイレクトを用いれば別のファイルに書き出すことも可能である.

$ qkc -s -m euc.tex > shift-jis.txt [Enter]

2. 日本語の入力 (emacs)

以下では, emacs にて canna を用いて日本語入力が行えるようにする.

[2.1] ~/.emacs の編集

emacs を起動した際には設定ファイルである ~/.emacs が読み込まれる. emacs 起動時にデフォルトで日本語変換が可能なように ~/.emacs を編集する.

$ vi ~/.emacs [Enter]

以下のエントリを追加する.

(set-language-environment "Japanese")
(set-default-coding-systems 'euc-japan)
(set-terminal-coding-system 'euc-japan)
(set-buffer-file-coding-system 'euc-japan)
(set-default-font "-*-fixed-medium-r-normal-*-16-*-*-*-*-*-fontset-standard")
(progn (load-library "canna" ) (canna) )
(global-set-key "\C-o" 'canna-toggle-japanese-mode)

上記の設定ファイルを簡単に解説すると,


3. 日本語の入力 (kinput)

以下では, kinput-canna にて ブラウザやターミナル上で日本語入力が行えるようにする. なお, X Window System を用いていないのならば 以下の設定は必要ない.

[3.1] パッケージのインストール

以下のパッケージをインストールする.

パッケージ 解説
kinput2-canna canna を用いた kinput パッケージ

4. ユーザへの設定ファイルの反映

上記で日本語の表示・入力をおこなうための設定を行ったが, 以後は, 新たに作られるユーザにこれらの設定が反映されると 便利である. 以下ではその方法を記す.


[4.1] 各種設定ファイルを /etc/skel/ 以下に移動

# cp ~/.emacs ~/.bashrc ~/.bash_profile /etc/skel/ [Enter]

/etc/skel 以下に置かれたファイルは, アカウントが作成される際に, 各ユーザのホームディレクトリにコピーされる.


最終更新日: 2010/07/09 (山田 圭祐) Copyright © 2010 epcore