IPv6 は着々と整備が進んでいるようである. JPNIC は IPv4 から IPv6 の具 体的な移行過程の検討を行なっている. IPv6 ネットワークは実験から実用の 段階に移ったことが強く感じられた(「IPv6 と 6bone-JP 」,「JGN を使った IPv6 実験網の構築」). 様々な電子機器が TCP/IP で会話するようになるのも そう遠くはないようである.
マルチキャスト, ストリーミングなどの「(TCP/IP)ネットワークを介した映像 の配信」関連の話題では, (あまり強調されてはいなかったが)アプリーケーショ ン側の整備が進んでいることがわかった. windows や linux からサクサク使 えるようになれば, 実用性はかなり期待できる. これらの技術は SoI(School of Internet)の可能性をより高めるという点で興味深い. 大学関係者にとって, SoI の可能性については今後もその動向を注視する必要がある.
セキュリティ関連の話題について. 「JPCERT/CCからの報告」では, ついに通 産省から(一般会計からの)資金援助が得られるようになり, 今後の人的資源の 継続的な確保に多少のメドがついた, という報告がなされた. 一部の質問で 「その結果情報が政府に隠蔽されるのでは」という懸念が示されたが, そのよ うなことは心配ないとのことである.「インターネットY2K」は"そんな問題も あるかもしれないね"という目から鱗な話題である. とくに DNS 関連のトラブ ルが予想され, その注意を呼びかけていた. 「警察におけるハイテク犯罪対 策」は, 警視庁のハイテク犯罪対策課[サイバーポリス(?)]の担当者による講 演であった. 先日成立した「不正アクセス禁止法」のポリシーと成立過程, 及 びそれを含めた警察における「ハイテク犯罪」の定義と対策の変遷が解説され た. なお, この話題に関してのみ事前に資料が配付されていなかったのは, 話題の性質によるものなのだろうか?