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IP Meeting '99


昼休みを挟み午前, 午後あわせて以下の内容の講演が行なわれた.
  1. インターネットの国際情勢
  2. JPNIC からの報告
  3. JPCERT/CC からの報告
  4. IPv6 と 6bone-JP
  5. インターネット Y2K 問題への取り組み
  6. MBone-JP
  7. 商用マルチキャスト網相互接続実験 J/Splash
  8. JGN を使った IPv6 実験網の構築
  9. Multihome Workshop 報告
  10. iDNS
  11. IP Telephony
  12. 警察におけるハイテク犯罪対策
  13. BOF からの報告
要約すれば IPv6, マルチキャスト, セキュリティ(Y2K含む)である. IPv6, マ ルチキャストとも一部研究者の実験研究対象から実用のレベルに到達している ことを強く実感した.

IPv6 は着々と整備が進んでいるようである. JPNIC は IPv4 から IPv6 の具 体的な移行過程の検討を行なっている. IPv6 ネットワークは実験から実用の 段階に移ったことが強く感じられた(「IPv6 と 6bone-JP 」,「JGN を使った IPv6 実験網の構築」). 様々な電子機器が TCP/IP で会話するようになるのも そう遠くはないようである.

マルチキャスト, ストリーミングなどの「(TCP/IP)ネットワークを介した映像 の配信」関連の話題では, (あまり強調されてはいなかったが)アプリーケーショ ン側の整備が進んでいることがわかった. windows や linux からサクサク使 えるようになれば, 実用性はかなり期待できる. これらの技術は SoI(School of Internet)の可能性をより高めるという点で興味深い. 大学関係者にとって, SoI の可能性については今後もその動向を注視する必要がある.

セキュリティ関連の話題について. 「JPCERT/CCからの報告」では, ついに通 産省から(一般会計からの)資金援助が得られるようになり, 今後の人的資源の 継続的な確保に多少のメドがついた, という報告がなされた. 一部の質問で 「その結果情報が政府に隠蔽されるのでは」という懸念が示されたが, そのよ うなことは心配ないとのことである.「インターネットY2K」は"そんな問題も あるかもしれないね"という目から鱗な話題である. とくに DNS 関連のトラブ ルが予想され, その注意を呼びかけていた. 「警察におけるハイテク犯罪対 策」は, 警視庁のハイテク犯罪対策課[サイバーポリス(?)]の担当者による講 演であった. 先日成立した「不正アクセス禁止法」のポリシーと成立過程, 及 びそれを含めた警察における「ハイテク犯罪」の定義と対策の変遷が解説され た. なお, この話題に関してのみ事前に資料が配付されていなかったのは, 話題の性質によるものなのだろうか?


小高正嗣(odakker@gfd-dennou.org)
2000/01/02