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2000年1月21日座学編レジュメその壱

X Window System ってナニ?

文責:佐々木 洋平
作成:2000/1/21

1.GUIとCUI(マウスが使いたい!)

winやmacのinstallされたPCから使い始めた人にとって、UNIXが いまいち使いづらい理由にwinやmacがGUI(Graphical User Interface) であるのに対してUNIXが、(そのままでは)CUI(Character User Interface) であることがあげられる。Windows95/98やmacOSはinstallが終った時点から 画面にマウスのカーソルが登場し、あとはボタンをクリックするだけで 大抵の操作が可能であり、非常に直観的に作業を進めることができる。 それに対してUNIXのシステムをinstallすると黒字の画面に白い文字が 踊っており、GUIになれたPC初心者にはとっつきづらい。さらにまるで 魔法のようにコマンドラインを連発する上の方々を見ると、ため息しか出て来ない。 早い話が、「マウスでクリックするとアプリケーションが起動。後は善良な 使用者としてPCを活用するだけ」だった人(数ヵ月前の我々3年生)にとって、 「UNIXでもGUIを!」と願うのは至極当然のことなのである。
逆に言うと、GUIができるようになった現在では、あまりwinをつかっていない。 つまり、我々3年生のUNIXが使いづらいと言う認識は、単にCUIが使いづらい だけだったのだ!?

2.X window system

というわけでX window system(以下、X)を導入することになった。

Xの設定はここを参照してください。

X Window Systemの特筆すべき点は以下の3つである。

1.サーバクライアント方式

XサーバとXクライアントという別々の役割を持った機械(?この言い方は正しい のだろうか)が相互に連係しながらXを動かしている。どのような手順になって いるかと言うと...

  1. Xサーバはキーボードやマウスからの入力を受け付け、各Xクライアントにユーザ ーの命令を送る。

  2. Xクライアントでは、Xサーバからの命令を実行しその結果を再びXサーバに送る。

  3. 送られて来た結果をXサーバが画面に描画する。

といった手順でGUIが成立している。これは人間で言う所の「刺激と反応」に例える とわかりやすいかも知れない。

  1. ボールが飛んで来ることを「目(=マウスやキーボード)」で感じとる > 入力

  2. 脊髄(=Xサーバ)が情報を大脳(=Xクライアント)に送る。> 大脳は考える (命令の実行)

  3. 入力に対する結果を脊髄に送る(避けるとか受け止めるとか) > 脊髄から対応する 運動器官(=画面)へ(出力)

といった感じだろうか。このことから、次のネットワーク透過性が成立する。

2.ネットワーク透過性
XサーバとXクライアントの間での通信はXプロトコルと呼ばれる規約によって定め られており、この規約に従う限り適切な処理を行うことができる。このことから、 Xサーバさえ設定されている機械であればネットワークを通じて別の機械でXクライ アントを実行することができる。他人の大脳が使えるようになるわけである。


3.ユーザーインターフェースを選ばない
今までの話では、描画と入力を管理するXサーバとアプリケーション(Xクライアント) という分け方をしたが、人によっては、Windowsの画面に愛着を感じるかも知れないし macOSが最高だと言うだろう。そのようなWindow Systemの見た目や使い勝手、画面の 雰囲気を司る部分がXサーバから切り離されている。この部分をWindow Managerと呼ぶ。 原理的には特殊なXクライアントなので、ユーザ側から見ればこのWindow Managerこそ システムのユーザーインターフェースとなるが、個人の趣味で自由に取り換えることが できる。

そこで...

どうせPCを使い倒すならば,自分好みの設定にしたいと我々3年生は考えた。 よって、後期になってからの実習において最も力をいれたのは、Xのカスタ マイズである。

Let's カスタマイズ!