「PC/AT 互換機の BIOS」

1999/11/05 epnetfan 座学編 第9回
講師: 荒田尚己 (Naoki Arata) 株式会社イノハタコンピュータ事業部
記録: 谷口 博 (taniro@ees.hokudai.ac.jp)


□ BIOS とは何か?

	○ ハードウェアの認識ははじめに BIOS で行なわれる. 
	○ ハードウェアレベルで周辺機器を使用可能にしてくれる. 
	○ BIOS = Basic Input Output System
	○ BIOS のメーカはほとんど台湾製. 

□ BIOS の設定(何が出来るか) -- AWARD SOFTWARE INC. の BIOS を例にして --

[Standard CMOS Setup]


	○ 時刻の設定 (CMOS SETUP) --> 2000 年がでれば Y2K OK !

		※ はじめは台湾時間になっているので, 変える必要あり.  

	○ Primary Master (スレーブ) --> ハードディスクが継れる部分
	○ Primary Slave  (スレーブ) --> 普通 CD-ROM が継れる

		※ こうして(↑)おくと, 一本のケーブルで継げる. 

	○ Secondary Master 
	○ Secondary Slave 

		※ さらにハード機器をつなぐ場合にはここを設定しておく. 

	○ Drive --> FD の設定. 

		NEC 1.2MB の FD は PC/AT では読めない.  
	
	○ Video --> CBA: キャラクタレベルでどれだけ文字が表示できるか
		          を設定する.
	
	○ Halt on --> パワーオンセルフテスト. 電源を入れて, 何か異常
		       があった時にどう対処するかを規定する部分.

		※ No Error にしておくと, 何が何でも立ち上がる. 

[BIOS Feature setup]


	○ Boot Virus Detection: 
		boot up する時にウィルスが入っているかどうかチェックす
		る. ここを enable にしておくと, OS のインストールが出
		来なくなる. OS のインストールでは,ディスクラベルを書き
		換えるので, このウィルスチェックにかかってしまう.
 
	○ BIOS update: 通常 enable になっている. 

	○ HDD Sequence SCSI/IDE First: どちらの HD を先に読みに行くかを規定. 

		※ いまや, IDE は 10GB 以上の世界???

	○ Boot Sequence: 起動の順番. 通常は A,C にしておく. 

			  A は FD から起動. C は HD から起動.  
			  CDROM にしておくと CDROM から起動. 
			  LS/ZIP にしておくと ZIP (IDE)から起動
			  (普通はやらない).

	○ Boot up Floppy Seek: Disable -> Enable にしておくと, FD が
			  入っていなくても FD を読みに行く.

	○ Floppy Disk Access Control: 
			悪戯されないように Read Only にしておく. 

	○ IDE HDD Block Mode Sectors: 
			HD が一番のスピードで読みに行くよう設定する. 

	○ Security Option:
			ここを Setup としておくと最初の BIOS セットアッ
			プの時にパスワードを聞いて来るようになる.
			(勝手に BIOS Setup されないようにするための防御策)

	○ PS/2 Mouse Function:
			マウス設定 (Auto か disable) 	
			 
	○ PCI/VGA Pallete Snoop:
			よくわからないが, ここはいじらない方が良い. 

	○ Video ROM BIOS 以下の C8000, CC000, D0000, D4000,... は互換
			機用の設定をする部分. ここもいじることは無い.

	○ Boot Up NumLock Status:
			通常は On. 

	○ Typematic Rate Setting:
			キー入力のスピードを変える部分. 
	 
	※ Shift - F2 で設定画面の色が変わる???

[Chipset Feature Setup]


	○ SDRAM Configuration: 
			RAM のちょっとスピードが変えられたりする. 
			ここは変えちゃ駄目. 
			Auto だと間違いなし. 

	○ 8-bit I/O Recovery Time:
			ここは訳わからん. いじらないこと. 

	○ PCI 2.1 Support:
			ECC のメモリを使えるようにするかどうかの設定

		※ パリティって何?

			データのチェックのために用いられる. 1ビット余
			分にもちいて, ほんとが 1 でないといけないとこ
			ろが 0 になっていたり, という間違いをチェック
			するために用意された識別子みたいなもの.

	○ Onboard FDC Controller:
			FDD コントローラを使うかどうかの設定. 
			(FDD が二つ以上あるような時に設定)

	○ Onboard Serial Port 1:
			IO ポート と IRQ の設定. 

	○ Parallel Port: 
			スキャナとか使う時に設定. 

	○ Onboard PCI IDE Enable:
			いくつの口を使えるようにしておくかの設定. 

	○ IDE Ultra DMA Mode:
			IDE のスピード設定. 何のスピードだかは聞きそび
			れてしまった.
		
	○ IDE0 Master と IED1 Master の違い: 
			0 がプライマリ. 1 がセカンダリ. 
	
	   ※ IDE には二つ口がある. 一つ目がプライマリ. 二つ目がセカン
	      ダリと呼ばれる.

[Power Management Setup]


	○ Power Management:
			OS 環境によって設定を変えたりする. 
			電源が自動で切れる時間を設定できたりする. 
			Unix 系では Disable にしておく. 

	○ Video Off Method:
			ディスプレイ電源を自動で切れるようにするための
			設定.

	○ HDD Power Down:
			HDD の電源をいつまで付けておくかという設定を行なう. 
			Disable にしておくと, いつもまわりっぱなし. 
			ノートパソコンだと, Disable にしておかずに電源
			を節約できたりする.
	○ PWR Button:
			コンピュータの電源をソフトの方から切れるように
			出来るかどうかの設定.

	○ AC PWR Loss Restart:
			停電のあったあとには, enable にしておくと, 自
			動で reboot してくれたりする.
	
	○ Automatic Power Up:
			自動で電源を入れる時間を設定できる. 
			ever day にしたり出来る!
			通常は disable にしておくのがいい. 
			
	○ Chassis Fan Speed:
			電源ファンの回転数の設定. ここまで余計なお世話???

	○ CPU Fan Speed:
			CPU ファンの回転数の設定. ここまで余計なお世話??? 
			
	○ MB Temperature:
			マザーボードの電源の温度の制限を設定できる?

[PNP AND PCI Setup]


	○ IRQ の設定. ISA で使うかどうかなんかを設定する. 

	○ DMA の設定. 音源なんかを設定する. 

	○ SYMBIOS SCSI BIOS:
			SYM の BIOS を使うかどうかの設定をする. 

[LOAD BIOS DEFALT]


	ここで, BIOS の設定を元の設定に戻すことが出来る. 

[LOAD SETUP DEFAULT]

	変更した SETUP の内容を DEFAULT にするための設定部分. 

[SUPERVISOR PASSWORD]

	セットアップでパスワードを設定する部分. 

[USER PASSWORD]


	セットアップのための個人ユーザのパスワード. これ意味あんの???
	設定しない方が良い. 

[SAVE & EXIT SETUP]

	CMOS にセットアップの内容を書き込むかどうか. 

[EXIT WITHOUT SAVING]


	設定内容をセーブせずに exit する. 

□ BIOS の Update について

	○ まずマザーボードの型番を調べる. 

	○ メーカの HP をみて調べる. 

	○ HDD が使えなくなった場合(上限がある, 認識されない, etc.), 
	   Y2K, など update する理由はいろいろある.

□ BIOS の Update 方法

	○ マザーボード特有の方法で対処. 普通 zip ファイルでメーカから提
	   供される. それを HP などからダウンロードしてくる. 

	○ ASUS の例をとると....
	   (http://www.asus.com.tw/Products/Motherboard/bios.html)
	
	○ How to ASUS ACPI BIOS update --------------------------------

	○ update ファイルの入った FD から起動する. 
		
		Flash Memory: Winbond W29C020
			      ^^^^^^^^^^^^^^^
		ここは, メーカ名がでてくることを確認すること. もし, 何
		もでてこなかったり, None なんてでてきてしまったら, そ
		のファイルを使って upgrade するのは止めた方が良い(重要!!!).

		Current BIOS Version: ASUS P2B ACPI BIOS Revision 1002

		Please Enter File Name for NEW BIOS: bx2I1011.awd

		A:\ > aflash

	○ upgrade 後, 起動時の画面上に新しいバージョン名が出て来るこ
	   とを確認. また, BIOS Setup の画面を立ち上げてみる: 

		BIOS Feature SETUP の画面で
	
		HDD S.M.A.R.T. capability なんかの項目が増えた. 	

□ 参考文献 (紹介して頂いた書物)


	○ BIOS の設定とアップデート	
					前川武弘 著, (株)ディー・アート
					ISBN4-88648-554-5

	○ PC ユーザの基礎知識 AT 互換機の BIOS 改訂版
					渡辺郁郎 著, エーアイ出版
					ISBN4-87193-652-X

編集
1999 Nov.08

横山 誠