IP meeting 2001 報告


今年度の IP meeting の話題は以下の通りであった.

今年の IP meeting の大きな特徴は, 今年 1 年を振り返る意味で キーノートスピーチがなされたことである. その分, 紹介される 話題数は減ってしまっているが, 昨年よりも活気に満ちた会合になっていた.

以下では, それぞれの話題の簡単な紹介を行う.


キーノートスピーチ

キーノートスピーチでは, 今年 1 年間でインターネットを取り巻く環境が どのように変化したかについて語られた. 主な話題は,

昨年から今年までの変化として一番大きなことは, インターネットが社会基盤として認知され, 社会的な関心や社会的な責任が 大きくなってきた, ということにあるようだ. 講演者の村井さんが強調していたが, インターネットの発達は技術が 先行しそれを社会が認知することで成り立って来ている.

パネルディスカッション

複数のパネリストが, これまでのインターネットの発達とこれからの 期待を語った.

JPNIC からの報告

JPNIC からの報告では, 主に JP ドメイン管理体制の変革の話しがなされた. 今までは JP ドメインの管理全てを JPNIC が行って来たが, それを以下のように 変更したそうだ.

IPv6 最新動向

IPv6 最新動向では, この 1 年での IPv6 関連の動きがまとめられた. IPv6 は日本が積極的にリードしている部分である. IPv6 のアドレスポリシーに対して日本から 積極的に提言がなされているようだ. アジア, ヨーロッパでは各国, 各企業が IPv6 化への取り組みを進め, 実際に運用実験も始まっているそうだ.

JPCERT/CC からの報告

JPCERT からの報告では, まず始めに JPCERT の位置付け(情報センター, 問題解決のサポート)と JPCERT の活動内容が紹介された. その後, この 1 年のインシデントの傾向が語られた.

最近の傾向としては, 弱点探査としてのポートスキャン・プローブは当然として, 知られているありとあらゆる不正アクセスがなされているそうだ. 不正アクセスの初期段階としてポートスキャンが用いられることから, きちんとログを解析しポートスキャンを監視することの重要性が語られた.

この 1 年は Nimda, Code Red といった新種の狂悪なワームが猛威を 奮った. Nimda 等は感染した PC からいたるところへ DDoS 攻撃を行い, サーバ停止, ルーティングのリソース消費, 回線をパケットで埋め尽くすことを引き起こした. それらの経験から, ブロードバンド時代の DDoS 攻撃の持つ 脅威について語られた. ブロードバンド時代は常時接続・数 MB の帯域は当り前になので, エンドユーザでも簡単に帯域を潰すことが可能になる.

ドメイン名最新動向

ドメイン名最新動向では以下の内容が語られた.


2001-12-13 SUGIYAMA Ko-ichiro (sugiyama@ep.sci.hokudai.ac.jp)