動画はメジャーなものでは MPEG, QuickTime, AVI といったところでしょうか。 あ、Windows だと WMV なんてのもあったような気がします。あとは Real Movie ですか。いんちき?なところでは GIF アニメーションなんてのも ありますね。ちなみに QuickTime の拡張子は .mov なのですが、 この拡張子は FM-Towns で事実上標準だった?動画形式の「動くざんす」 と同じ拡張子で当初困りました。
ここでは MPEG について説明をします。なぜならその他の形式を UNIX (やその互換)OS で見ることは簡単ではないからです。
MPEG は Moving Picture Expoert Group の略称で、映像、音声などの マルチメディアコンテンツをどのような形で作ったらよいかを議論する グループです。このグループは ISO に属している。従って特別な 企業の思惑が絡むことは(たぶん)ないでしょう。現在 MPEG には MPEG-1,2,4,7 の4つ存在する。MPEG-7 はまだこれからの規格で 実際に聞いたことがあるのは MPEG-1,2,4 だと思います。
1993年に標準化された規格と古いのでかなり広範囲に広がっている。 仕様的には等速 CD-ROM ドライブ、Pentium90MHz 以上程度のスペック で十分見られます(後述する VideoCD の動作条件がこれくらい だったような気がします)。主な仕様用途は VideoCD やゲームの ヴィジュアルシーンなど幅広い。画質は VHS 並と言われています。
MPEG-1 よりも高解像度になることを念頭に作られた規格。1995年に標準化 された。主な仕様用途としては DVD や BS/CS デジタル放送などが あります。あと、非常にまいなー?ではあるが SuperVideoCD も MPEG-2を 使っています。
通信が遅い環境でもそこそこの画像が送れることに重点がおかれた規格で 1999年に標準化された。主な仕様用途は携帯やPDAの動画などがあります。 まだ新しい規格なのでこれからもっと広まるでしょう(たぶん)。
このように MPEG が他の動画形式と異なるのは PC にはとどまらない ということです。その気になればプレゼンの内容を VideoCD や DVD 形式 にしてしまえば DVD プレーヤーやプレステ2 とかで出来てしまうという ことです。
同じ時間で同じ大きさの映像ならば単純にファイルサイズが大きい方が画質がよいと 想像できます。ファイルサイズの違いは動画圧縮の度合いに対応するのですが、 それを判断する材料はビットレートという単位です。ビットレートとは 1秒辺りに使うビットの数を表します。つまりこの値が大きいほど ファイルサイズが大きくなる、すなわちきれいな画質になるということです。 従って、高ビットレートの MPEG-1 は MPEG-2 よりきれいな場合もあり うるわけです。以下に VideoCD, SuperVideoCD, DVD の画像サイズと ビットレートを紹介します。
規格 | 画像サイズ | ビットレート | |
---|---|---|---|
VideoCD | MPEG-1 | 352x240 | 1,342kbps |
SuperVideoCD | MPEG-2 | 480x480 | 〜2.6Mbps? |
DVDD | MPEG-2 | 720x480 | 〜8Mbps? |
ここで2つほどおや?と思われるかもしれません。1つめはVideoCD の画像サイズ が非常に小さいということ。実はテレビを考えるとこれで十分なのです。という のもテレビの走査線は 525本で、その半分を交互に表示しているので実際は 260本程度でよいことになります。さらにテレビの上下は画面から大抵 はみ出していますので VideoCD の縦サイズは 240 で十分というわけです。 もちろん PC で見ると寂しいですが…。2つめは SuperVideoCD が正方形 であることです。SuperVideoCD を実際に表示するときには 4:3 に伸長 させます。従って、このことをきちんとしてくれるプレーヤーでないと 正方形に表示されてしまいます。従ってもし、中国とかで SuperVideoCD を 手にいれたら再生環境に注意してください。
MPEG 動画圧縮をする際、I,P,Bフレームという聞き慣れない言葉を目にする と思います。しかし、これらをきちんと理解することが効率の良く 高品質な動画を作成することができます。動画は基本的にパラパラ漫画の 要領でたくさんの絵(フレーム)を素早く交換します。この単位は fps で毎秒何枚の絵を使うかを表します。テレビは約30fps(正確には 29.97fps)、 アニメや映画は約 24fps (正確には 23.976fps))です。
フレーム全体を MPEGのデータとして記録するフレーム。I フレーム だけの MPEG 動画を作成することは可能です(ちなみに xanim は I フレームしか表示しないので動画作成時には I フレームのみに しましょう)。
過去の I フレームと P フレームから動きを予測し実際の映像との誤差 を記録するフレームです。前フレームとの差分ですのでデータ量は少なく なります。
過去と未来のフレームから動きを予測し、実際の映像との誤差を記録 するフレームです。P フレームよりもさらにデータ量が少なくなります。
上述のような特徴をもった各フレームによる動画圧縮を GOP という単位 で行います(GOP は Group Of Picture の略です)。GOP は I ピクチャ から次の I ピクチャまでです。この GOP と I,P,B の構造を駆使すれば 画像の高圧縮が期待されます。ただ、差分の計算をすることになります ので、あまり複雑?にするとエンコードに大変時間がかかります。
MPEG 動画を見ているとある部分だけおかしくなることを見たことが あると思います。これはブロックノイズと呼ばれるものです。 MPEG(というか JPEG )は 8x8 の画像を波数展開をして高周波成分を 消すという作業をします。従って動きが激しいような場所では 圧縮がうまくいかずぼけた画像になってしまうことがあります。
ブロックノイズを消す手っ取り早い方法はビットレートを挙げること です。また、言っていることは同じなのですが、可変ビットレート にするのも手です。
MPEG は画像だけでなく音に関しても規格化されています。その中で MPEG-1 を簡単に紹介します。MPEG-1 オーディオには Layer-1から3 まで3種類あります。順に MP1, MP2, MP3 と呼ばれます。MP3 は あの MP3 です(正確には MPEG-1 Layer3 ということです、決して MPEG-3 ではないです)。音質に関しては Layer の後の数が大きくなるほど よいです。ただ、これも動画と同様ビットレートに依存します。