DVTSのインストール

0、はじめに

これは、joho03(OS:Debian GNU/Linux 3.0)をepnetfanのJGNプロジェクトにおいてDVTSサーバとして利用するべく、DVTSのインストール、設定を行なった時の作業ドキュメントである。2002年8月8日に全作業を行った。

1、joho03にDVTSをインストール

(1)まず、

http://www.sfc.wide.ad.jp/DVTS/

から、

dvts1.0a.tar.gz

をダウンロードする。(ダウンロード先は今回は自分のhome領域とした)

(2)次に、ダウンロードしたディレクトリ内において

$ tar zxvf dvts1.0a.tar.gz

と入力し、ダウンロードしたファイルの解凍を行なう。

(3)DVTSをインストールするために必要なファイルがあるので、それらのファイルをインストールする。具体的には、

絶対必要なもの

libraw1394-dev , libraw1394-5

あった方が良いもの

libavc1394-dev
libavc1394-0
libdc1394-dev
libdc1394-8

の6つのファイルをインストールした。これらのファイル中のdevとは、developerの頭文字をとったものであり、ヘッダファイルが含まれていることを意味している。

(4)dvts1.0a.tar.gzの解凍を行なうと、/home/kajitaka内

dvts1.0a

というディレクトリができるので、作成されたディレクトリに移動し、

$ ./configure

と入力する。これにより環境設定が行なわれる。続いてコンパイルを行なうために

$ make

と入力する。最後に、然るべき場所に実行ファイル、ライブラリをコピーするために

# make install

と入力する。するとインストールが始まるが、途中で、「/dev/raw1394が必要なので作成しますか?」と質問されるのでyesと答える。少し待つとインストールが完了する。


2、インストール後の設定

(1)DVTSを用いるためには、/dev/raw1394というファイルの他に/dev/dv1394というファイルが必要である。しかし/dev/dv1394はインストール中に自動作成されないので、新たに作る必要がある。作成するには、

# mknod -m 666 /dev/dv1394 c 171 32

と入力すればよい。(参考文献:http://www.linux1394.org/dv1394.html)

(2)/deb/raw1394のパーミッションは

crw-rw---- 1 root disk 171, 0

であるのに対して、新たに作成した/dev/dv1394のパーミッションは

crw-rw-rw- 1 root root 171, 32

となっている。これらの2つのファイルの所属するグループを合わせておいた方が便利なことが多いので、

# chgrp disk /dev/dv1394

と入力し、2つのファイルのグループをdiskに統一させる。また、一般ユーザーにはファイルの読み書きを禁止するため、

# chmod 660 /dev/dv1394

と入力する。なお(1)の作業において、

# mknod -m 660 /dev/dv1394 c 171 32

とすれば、crw-rw----のパーミッションを持つファイルが作成されるので、上記の作業を省略することができる。

最後に自分をdiskグループに登録する必要があるので、各グループの情報が載っている/etc/groupというファイルを書き換える。具体的には、

# vi /etc/group
(# vigr と入力してもよい)

と入力してファイルを開き、

disk:x:6:

と書かれた行を

disk:x:6:(加えるユーザー名)

と書き換える。なお、2人以上のユーザーをグループに加える場合には、,(コンマ) で区切ってユーザー名を記述する。


3、確認作業

以上で作業は終了であるが、実際にjoho03がDVTSサーバとして利用できるか確認する。

(1)概要

杉山耕一朗さんのPCにつないだビデオカメラで撮影した映像をjoho03で受信し、joho03につないだビデオカメラで見るということを実験的に行なった。

壱、joho03にjoho06についていたIEEEカードを付け替える。

弐、joho03とビデオカメラをIEEEケーブル6×4ピンでつなぐ。

参、同様の作業を杉山さんのPCでも行なう。

四、カーネル再構築の際にIEEE関連はそのほとんどをモジュール化したために、dvtsを使うために必要なモジュールを読み込む必要がある。具体的には、

# insmod (必要なモジュール)

と入力すればよい。必要なモジュールは、

ohci1394
dv1394
raw1394

の3つである。

伍、今回joho03は受信側なので、必要なモジュールを読み込んだら、

# dvrecv

と入力する。すると、杉山さんが撮影した映像をjoho03に接続したビデオカメラで見ることができた。受信を停止するにはCtrl-cとすればよい。

六、今回は行なっていないが、送信するサーバとして利用するのであれば、必要なモジュール(四、に記述したものと同じ)を読み込んだ後に、

IPv4を使用する場合

# dvsend -4 -h (ホスト名)

IPv6を使用する場合

# dvsend -6 -h (ホスト名)

と入力すればよい。


4,発生した問題点

1、(3)で記述したようにDVTSをインストールするためには、いくつか必要なファイルがあるが、最初、それらをインストールせずに、1、(4)の作業を行なったために# make install と入力すると必要なファイルがありませんというエラー表示が出た。そのため、表示されたファイルをインストールした後にDVTSをインストールしたところ、インストールすることに成功した。


参考文献

・READ MEのファイル(以下はその文面である)
INSTALL
gmake is required to compile dvts.
Simply type the command './configure' and 'gmake' in this directory.
Then, type 'make install'. This will install dvsend in '/usr/local/bin/'.
・dv1394本家のホームページ
http://www.sfc.wide.ad.jp/DVTS/