[epnetfan 座学編] [Internet Week 2005 報告会]


EPNetFan 2005 年度 座学編 第 XX 回 資料 Internet Week 2005 報告

[C8]: JPNIC オープンポリシーミーティング

まずは前回第8回のレビュー。って言っても, 正直前回出てないと さっぱりな内容でした。(まとめというかオチが無かったので...)



歴史的経緯を持つ PI アドレスに関する取り組み

JPNIC の方のお話

PIアドレス (1)

「Provider Independent Address」の略で、プロバイダの持つIPアドレス帯 (*1)から独立したIPアドレスのことです。通常の利用者が使用しているIP アドレスは、経路制御上の理由でプロバイダに割り当てられたIPアドレス帯 の中から再割り当てされます。従って、利用者はプロバイダを変更する場合 にはIPアドレスを変更する必要があります。

PIアドレスを使用すると、インターネットへの接続(トランジット)を提供 するプロバイダ(トランジットプロバイダ)を変更してもIPアドレスを変更 する必要はありません。

PI アドレス (2)

「Provider Independent Address」の略で、プロバイダ非依存アドレス、ま たはポータブルアドレスと呼ばれています。以前は、非CIDRアドレスと呼ば れており、IPアドレス指定事業者に割り振られた空間以外から割り当てられ たIPアドレスです。

これらのアドレスは、PAアドレス(Provider Aggregatable Address:プロ バイダ集成可能アドレス)のように階層的に割り当てられたものではないた め、プロバイダでの経路情報の集成ができません。そのためインターネット の経路制御システムに対する負担が増大し続け、経路制御されるIPアドレス ブロックに制限を掛けなければならなくなった場合に、その制限対象となり、 経路制御されなくなる可能性が高いといわれています。

活動の経緯

歴史的 PI アドレスの登録更新の明確化と認証強化のための 活動をいろいろおこなってきた. 持ち主へのメールや郵送などに よって通知

郵送連絡到達状況

送付件数 1440 中, 377 は不達. 電子メールよりはちょっとまし. メールも郵送も届いていないところもある.

手続き進捗状況 (ネットワーク数)

半数弱は ID/パスワード発行がなされ, JPNIC 管理下にはいったが, 半数は連絡・回答すらなし.

手続き進捗状況 (アドレス数)

60 % は ID/パスワード発行がなされ, 40 % 弱は連絡・回答なし

大き目のアドレス空間を持つところが登録を完了する傾向にあるのがわかる。

歴史的 PI アドレス総数は 旧クラスA 2 個強にあたる。 (JPNIC が管理するのは数よりちょっと多い).

アドレス使用状況調査

経路広告情報をチェックして利用状況を大まかにチェック

アドレス使用状況 (手続き未完のもの)

半数弱は経路広告あり, 半数強は経路広告なし.

アドレス使用状況 (全体)

62 % は経路広告あり

今後

使うならちゃんと登録して使って欲しい, 使ってないのなら返せ.

使用状況をチェックし, 手続きが終わってないところには根気強く 連絡を続ける. 使ってないものは回収する方向で.

申し込みはここからできるらしい. (た、高いっ・・・)

http://www.nic.ad.jp/ja/ip/pi-application.html

アドレス回収フロー

結局返事が無いと動けなくて大変みたい

質問・意見

黙っていた方がお金払わなくて済むような状態はあまりよくないねぇ

過去の経緯として, PI アドレスをとらされちゃった (当時は PI しか とれなかった) 人々もおり、そういう人に判断させるのは中々難しい。 ちゃんと相談にのる必要がある。(PI アドレスを持っている人達が みんなウィザードだと思っちゃいけない)。

WHOIS 検討 WG に関するご報告

WHOIS サービスについての相談はこれまでも行われていた. 始めは今後どう相談しましょうか, というお話.

今後もよろしく. で終わっちゃった... (-_-;)

質問

個人名は載せないでいただきたい... (2ch に晒される...)

個人名じゃなくてロールにして欲しい (ロールって…?)

とにかく個人情報が流れることにみんな大きな抵抗を持っている.

果たして, 今 whois は昔に果たした役割を果たしているのだろうか? 昔はネットワークの維持・連絡に用いられていたが, 今はどう??

たくさん登録している場所の場合, 担当名をいっぺんに変えたりすることは 可能か? => 今そういう風になりつつある, らしい.

IPv6 アドレスポリシーアップデート

追加割り振り利用率の変更および割り当てサイズの新設

背景

IPv6 アドレスの寿命は 120 年らしい.

なぜ効率的な利用が必要なのか

IPv6 は節約が不要だったはずでは?

120 年でなんで不十分なの>

現在の枠組みを越える用途を想定

120 年 = 利用実績ベースの計算で保証は無い

家電、センサーなど、既存のインターネットの枠組みを超える用途を 想定

やっぱり家電系の、しかも半導体チップみたいなものに組み込まれると どれぐらい使われるか想像つかず

IPv4 のクラスAアドレスのような必要以上の分配は止めておこう

対策

世界的に適用するルール

追加割り振り利用率の変更

HD-ratio を 0.8 ⇒ 0.94

利用率変更例

/32 の IPv6 アドレスでの利用率 10.9 % ⇒ 51.4 &

大きい空間ほど影響が大きい

割り当てサイズの新設

ケース1は一般家庭用の 〜10ぐらいしか使わないだろうというもの向け

ケース2はプロバイダまかせなもの (?)

ケース3 は可変的な割り当て方法

主な意見

提案者のスタンス

ステータス

APNIC, ARIN では既にコンセンサスが得られつつある. 他の組織でも議論になりつつある.

調査

商用サービスではちょっと影響があるらしい.

既存のユーザは既に /48 でとれるのに, これからのユーザは 小さい空間にしなきゃいけないのはどうよ? という声あり.

今までは一律 /48 で分かりやすかったのに, 細かく分けることが できるために NW が断片化したりという問題がある.

場所によっては /48 で作ることを前提としたシステムを構築 しているため, その変更が必要になってしまう.

対応コストが結構発生する. 可変的割り当てにはコスト・負荷の増加を 強く懸念する声がある.

懸案事項

せっかく IPv6 でみんな /48 になったのに, そのメリットが消えちゃう. (IPv4 から変えた意味が無い!!)

今回に限らず IPv6 のポリシーが頻繁に変えられるため, 移行が難しい.

質問

会場や JPNIC としては, 出来るだけ変えたくないという意見が強い. なぜかというと, これらの変更を行うと, 結局のところ, せっかく IPv6 で 便利になった部分が無くなり, IPv4 と同じような状況が生まれて しまうため.

日本ほど IPv6 が流行りつつあるところが無いのでは, という意見や, だからこそもっと強く「変えてはダメ」みたいな意見を押していかないと, といった話になってた.

JPOPM ポリシー提案 「プロバイダ非依存な IPv6 アドレス割り当てに関する提案」

やっぱり IPv6 でも IPv4 と同様に PI アドレスが必要なんじゃ ないだろうか?

現在 IPv6 がインターネットビジネスの足かせになっている部分がある. この問題を改善することが, これから IPv6 が広まる前に必須な話.

本講演でいくつかの提案を行った.

その他まとめ

IP 電話など拡大, ブロードバンドの普及, オンラインゲームの巨大化により, IPv4 はやっぱりどんどん枯渇の方向へ.

新たに IPv4 のプライベート空間を増やそうという提案もなされた.

IPv6 への移行は, まだ IPv6 の割り当てポリシーなどが固まらないことも あってちょっと足踏み状態 (?)

しかし, 全体としてはやはり IPv6 への移行が進んでいくだろう.

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Last Updated: 2006/01/21, Since: 2005/12/08