Debian GNU/Linux 3.0 インストールドキュメント

本ドキュメントは 専攻 WWW サーバに OS(Debian GUN/Linux 3.0 (woody)) を install する際の手引きである.

Debian GUN/Linux 2.2 (potato) とインストール手順が少し異なるが, 基本的には同じように行える.


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目次

  1. 準備
  2. 基本システムのインストール
    1. BIOS の設定
    2. 起動
    3. 言語の選択
    4. Release Note の表示
    5. インストーレーションメインメニュー
      1. キーボードの選択
      2. ハードディスクのパーティション作成
      3. スワップパーティションの初期化
      4. Linux パーティションの初期化
      5. カーネルとモジュールのインストール
      6. デバイスドライバモジュールの設定
      7. ネットワークの設定
      8. 基本システムのインストール
      9. システムを起動可能にする
      10. ブートフロッピーの作成
      11. システムの再起動
    6. 再起動後の設定
      1. Time Zone Configuration
      2. 暗号化プログラムの選択
      3. Shadow Password の設定
      4. rootのパスワード設定
      5. 最初のユーザの設定
      6. PCMCIA カードの設定
      7. PPP の設定
    7. パッケージのインストールと設定
      1. インストール
      2. インストール中の設定
  3. 参考文献

I. 準備

1. インストールメディアの作成

Debian GNU/Linux 3.0 のインストール用 CD-ROM (以下, インストール CD)を作成する. フロッピーからもインストールできるが, 非常に手間がかかるので CD-ROM を作成する. ただし, ここで用いるインストールイメージはネットワークインストール用である. 必要最低限の基本システムを CD-ROM からインストールし, その他のパッケージは ネットワークからインストールする.

  1. ネットワークインストール用イメージ woody-i386-1.iso を 『Network debian-cd』ページの「「安定版 (stable)」リリース用の 非公式ネットワークインストールイメージ」のいずれかよりダウンロードする.
  2. Linux でイメージを CD-R に焼く. ここでは, Windows での焼き方は省略する.
    # nice --18 cdrecord -eject -v speed=4 dev=0,0,0 -data -pad woody-i386-1.iso
    


II. 基本システムのインストール

2.1. BIOS の設定

  1. 電源スイッチを ON にする.
  2. 画面の下に BIOS SET UP のメッセージが出たら Del キーを押して BIOS 設定画面にする.
  3. 表示される BIOS設定画面のメニューから, 『Boot』を選択し, 『BOOT Device Priority』を選択.

    1st Boot Device[ATAPI CD-ROM]
    2st Boot Device[Hard Drive]

    となっていることを確認する. 設定がこれ以外場合には変更すること.
  4. CD-ROM ドライブにインストール CD を入れて, BIOS 設定画面から『Exit Saving Changes』を 選択し終了する.

2.2 起動

起動, インストールに用いるカーネルの選択をする. 「boot:」と表示が出たら 「bf24」と入力して Enter を押す.

2003 年度用のサーバ機は SCSI 内蔵 HDD を使用する. デフォルトのカーネルではこの HDD を認識しない. したがって, 比較的新しいハードウェアをサポートしているカーネル 「bf2.4」 を用いる.

「F3」で選択できるカーネルのリストを見ることができる. 「bf24」は Ultra ATA/100 カードに対応した UDMA 用パッチがあたったもの (その他新しいハードウェアをサポートしている). 詳細は 「4.2 Debian ミラーサイトからのファイルのダウンロード」と 「5.2 CD-ROM から起動」を参照.


2.3. 言語の選択

「ja - 日本語で設定を行うにはエンターを押してください.」 を選択.


2.4. Release Note の表示

Release Note が表示されるので, 眺めて気分を味わう. Debian の開発者達に十分感謝(日本語であることにも感謝)した上で <続行>.


2.5. インストーレーションメインメニュー

インストールに関するメインメニューが表示される. このメニューを使って, Debian の各設定とインストールを行う. 通常「次」の欄を選択していけ ばよい.

2.5.1 キーボードの選択

  1. 「次: キーボードの設定」を選択する.
  2. 「qwerty/jp106: 日本語」を選択する.

2.5.2 ハードディスクのパーティション作成

ハードディスクは /dev/sda, /dev/sdb として認識される.

  1. 「次: ハードディスクのパーティション作成」 を選択する.
  2. パーティションを作成するハードディスク (例えば/dev/sa)を選択する.
    /dev/sda
    /dev/sdb

    ハードディスクを選択すると cfdisk が表示される. この画面では, 十字キーの左右で実行項目(コマンド)の選択を, 十字キーの 上下で操作対象となるパーティションの選択を行う. Enter を押すと, 現在選択中の項目(コマンド)の実行を, 対象パーティションに対して行う.

  3. パーティションを切る.

    
          Filesystem      1k-blocks     Mounted on
          /dev/sda1       (15GB)         /      (boot フラグをつける)
          /dev/sda2       (3.4GB)         /work (install 時は home)    
          /dev/sdb1       (15GB)         /bk
          /dev/sdb2       (3.4GB)         /work.bk (install 時は home.bk)    
          /dev/s?a1       (36/73GB)      /home
          /dev/s?b1       (36/73GB)      /home.bk
    

    ハードディスクが出荷状態(つまりなにも記憶されていない状態)の場合, cfdisk はしばしばパーティションテーブルを捜し出せないことがある. この場合, "Bad signature on the partion table" というエラーメッセージが表示され cfdisk によるパーティション作成が行えないこともある. 幸運なことに, 今年度の専攻サーバに使用されているハードディスクでは エラーメッセージは表示されるもののパーティション作成は行なえた. パーティション作成が行なえない場合には, 『[Appendix] fdisk によるパーティション 作成』 (2000年度専攻サーバ基本部分構築ガイド) を参照されたい

  4. パーティション情報をディスクに書き込む.

    「Write」 を選択し, すべて書き込まれたら 「Quit」 を選択して cfdisk を終了する.

  5. 他のハードディスクのパーティションも同様に切る.

    注 1 /dev/sda のパーティションを切った後 /dev/sdb も切ることを忘れないこと.
    注 2 システム領域(/)として使用する予定の領域 /dev/sda1に boot フラグを つけ忘れないようにすること.

2.5.3 スワップパーティションなしで済ませる

メモリの容量が十分にあるので, スワップ領域は作らない.

  1. 「別手順: スワップパーティションなしで済ませる」 選択する.
  2. 質問には<はい>と答える.

2.5.4 Linux パーティションの初期化

  1. 「次: Linux パーティションの初期化」 を選択する.
  2. ファイルシステムタイプの選択には「Ext2」 を選択する.
  3. /dev/sda1 を選択する.
  4. 不良ブロックのスキャンを行いますか? - <いいえ>
  5. よろしいですか? - <はい>
    ハードディスクが初期化されるので, 初期化していいハードディスクかを確認する.
  6. ルートファイルシステムとしてマウントしますか? - <はい>
    /dev/sda1 であることを確認する.
  7. 他のパーティションに対しても同様に初期化する.
    「別手順: Linux パーティションの初期化」を選択し, 同様にして初期化を行う. マウントポイントは上の『ハードディスクのシステム構成』を参照.

2.5.5 カーネルとモジュールのインストール

  1. 「次: カーネルとモジュールのインストール」 を選択する.
  2. Debian CD-ROM を検出しました. - <はい>

2.5.6 デバイスドライバモジュールの設定

  1. 「次: デバイスドライバモジュールの設定」 を選択する.
  2. 以下のモジュールをインストールする.
    • kernel/fs/msdos
      • msdos
    • kernel/fs/nls
      • nls_cp437 (英語)
      • nls_cp932 (日本語)
      • nls_iso8859_1 (ヨーロッパの言語)
      • nls_euc-jp (日本語)
      • nls_sjis (日本語)
    • kernel/drivers/net
      • eepro100
        2003 年度に使用するネットワークカードは 1000 BASE-T であるが, インストール CD 中にモジュールがないので, マザーボードについている 100 BASE-T のネットワークカードを用いる. OS インストール後に 1000 BASE-T のネットワークカードのドライバを 別途インストールする.

2.5.7 ネットワークの設定

  1. 「次: ネットワークの設定」を選択する.
  2. DHCP を使いますか? - <いいえ>
  3. ここでは本当のホスト名 orange を入力しない. サーバ入れ換え時にホスト名, IP アドレス を入れ換える.

    入力項目 入力内容
    ホスト名を選択してください sango (予備機用ホスト名)
    IP アドレスを選択してください 133.87.45.72 (予備機用 IP アドレス)
    ネットマスクを選択してください 255.255.255.0 (通常は正しい値を勝手に表示してくれる.)
    IP ゲートウェイアドレスは何ですか? 133.87.45.1 (通常は正しい値を勝手に表示してくれる.)
    ドメイン名を選択してください FQDNからマシン名を除いたドメイン名 ep.sci.hokudai.ac.jp
    DNS サーバを選択してください 133.87.45.70   133.87.45.66   133.87.1.11
    (複数の DNS サーバを指定する場合は, アドレスを空白で区切る.)
    先にも書いたが, インストール時には, 100 BASE-T NIC を使用しているため, Gig-bit HUB とは通信できない. そのため, 100 BASE-T ネットワークである 133.87.45.0/24 で通信する 必要がある. 方法としては, 1) グローバルアドレスを一時的にお 借りする(ネットワーク間管理者の承認が必要), 2) DHCP で接続する(事 前に 8 号館プライベート LAN への登録が必要) がある. 今回は前者を選 択し, 旧 www の ip address を使用した.

2.5.8 基本システムのインストール

  1. 「次: 基本システムのインストール」を選択する.
  2. 自動でインストールされる.

2.5.9 システムを起動可能にする

  1. 「次: システムを起動可能にする」を選択する.
  2. LILO ブートリーダをどこにインストールしますか? - /dev/sda1
  3. バーチャル IDE デバイスマッピング - <はい>
  4. マスターブートレコードを作成しますか? - <はい>
  5. Linux をデフォルトのブートパーティションにしますか? - <はい>

2.5.10 ブートフロッピーの作成

  1. 「次: ブートフロッピーの作成」を選択する.
  2. 起動ディスク用フロッピーを入れて Enter.

2.5.11 システムの再起動

  1. 「別手順: システムのリブート」を選択する.
  2. CD-ROM を取り出し, 「システムを再起動しますか?」という質問に <はい> と答える.
  3. 自動的に再起動される.

2.6 再起動後の設定

再起動すると以下の質問が行われます.

  1. Time Zone Configuration
    1. Is the hardware clock set to GMT? - <No>
    2. What area do you live in? - Asia
    3. Select a city or time zone - Tokyo
  2. 暗号化プログラムの選択:

    パスワードを暗号化するプログラムとして md5 を用いるかどうかを聞いてくるので No を選択する. md5 の方がデフォルトの crypt 暗号アルゴリズムよりも安全である. しかし gate 登録システムが crypt 形式を採用しているので md5 の方は選択しない.

  3. Shadow Password の設定:

    Shadow Password を用いるかどうか聞いてくるので Yes (デフォルト)を選択.

  4. ルートのパスワード設定

    ルートのパスワードを設定するように要求される のでしかるべく設定する.

  5. 最初のユーザの設定

    最初のユーザを設定するように尋ねられるが, 後でまとめて登録するので No を選択する.

  6. PCMCIA の設定

    PCMCIA は使わないので Yes (デフォルト)を選択する.

  7. PPP の設定

    PPP は使わないので No (デフォルト)を選択する.


2.7. パッケージのインストールと設定

2.7. インストール

  1. パッケージのインストール画面で, どのメディアからインストールするかを設定する. ここでは[edit source.list by hand]を選択.
- - - - - - - - - - -
deb ftp://ftp.ep.sci.hokudai.ac.jp/pub/Linux/Debian/debian woody main contrib non-free
deb ftp://ftp.ep.sci.hokudai.ac.jp/pub/Linux/Debian/debian-jp woody-jp main contrib non-free
deb ftp://ftp.ep.sci.hokudai.ac.jp/pub/Linux/Debian/debian-non-US woody/non-US main contrib non-free 
deb ftp://ftp.ep.sci.hokudai.ac.jp/pub/Linux/Debian/debian woody-proposed-updates main contrib non-free
deb ftp://ftp.ep.sci.hokudai.ac.jp/pub/Linux/Debian/debian-security woody/updates main contrib non-free

専攻の FTP サーバを再構築する場合には 『地球流体電脳倶楽部』 の北大にあるミラーサイトを利用する. この時は以下を記述すればよい.

deb http://dennou-h.gfd-dennou.org/arch-large1/cc-env/Linux/debian potato main contrib non-free 
deb http://dennou-h.gfd-dennou.org/arch-large1/cc-env/Linux/debian-jp potato-jp main non-free contrib 
deb http://dennou-h.gfd-dennou.org/arch-large1/cc-env/Linux/debian-non-US potato/non-US main contrib non-free 
deb http://dennou-h.gfd-dennou.org/arch-large1/cc-env/Linux/debian/ dists/proposed-updates/ 
deb http://security.debian.org/ potato/updates main contrib non-free

2.7. インストール中の設定

全てのサーバにインストールすべきパッケージを列挙する.

パッケージの install が始まる. 途中いくつかのパッケージに関する設定を聞かれる.


2.8. パッケージのインストール後の設定


III. 参考文献


最終更新日: 2003/02/22 高橋 こう子 Copyright © 2002 epcore