gate-toroku-system(1)

Date: $Date: 2003/02/14 10:24:29 $
Source: gate-toroku-system

名前

gate-toroku-sytem - ユーザ・DNS・プライベートIPアドレス 登録システム

書式

本マニュアルページは gate-toroku-system の概要を説明するものです。 書式は各コマンドのマニュアルを参照してください。

説明

gate-toroku-sytem は UNIX のユーザ登録と DNS 登録を 自動化するソフトウェアです。 プログラムはほとんど perl(1) スクリプトです。

主要なユーザインターフェイスは WWW を用いて CGI 経由でプログラムを動作させるものですが、 CGI が内部的に起動するコマンドを 用いることによってシェルプロンプトからでも操作ができます。

システムモデル

gate-toroku-system で管理されるシステムは以下のような 構成上の特徴を持ちます。

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ユーザは UID の数値によって一般ユーザとシステムユーザに区分されます。 gate-toroku-system は一般ユーザを管理し、 システムユーザのアカウントについては変更を行いません。 一般ユーザの UID は標準設定では Debian GNU/Linux にしたがい 1000 から 29999 の範囲となっています。
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一般ユーザ登録を行うとユーザと同名で UID と 同じ数値の GID をもつグループが作成されます。
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いったん登録を完了したログイン名は たとえ利用抹消を行っても再度別の申請者が使うことはできません。
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一般ユーザには個人ユーザとグループユーザがあります。 グループユーザは従来のグループの役割を担うために作られました。 すべての個人ユーザはグループユーザを作成することができます。
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個人ユーザは個人ユーザを作成する権限をもつものと そうでないものがあります。
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DNS サーバは単一のドメインおよび単一のゾーンをもちます。
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ユーザ登録と異なり、いったん登録を完了したホスト名でも 利用抹消を行えば再度別の申請者が使うことができます。

ユーザ登録操作の流れとコマンド

ユーザ登録を行いたい利用者は書式 gate-user-db(5) にしたがって登録申請カード (ファイルのことです) を作成します。 このファイルを gate-user-apply(1) コマンドの入力として与えるとユーザ登録申請が行われます。 同時に、登録申請カードの「申請者の連絡先」と「保証人」に 電子メールでユーザ登録申請が行われた旨が通知されます。 なお、「保証人」欄にはすでにユーザ登録を済ませている 保証人有資格者 ( gate ユーザを保証人とするもの) を記入しなければなりません。 (なお、申請カード作成から登録申請までの処理を WWW 経由で 行うために gate-user-apply.cgi または gate-group-apply.cgi が用意されています)

通知を受けた保証人は申請が正当なものであることが確認できたら gate-user-accept(1) コマンドによって登録承認を行います。 不審な申請は gate-user-accept(1) コマンドによって却下してください。 登録の承認または却下は申請者と保証人に電子メールで通知されます。 (なお、承認または却下の処理を WWW 経由で行うために gate-user-accept.cgi が用意されています)

承認のあとの最初のパスワードファイル更新時に 実際にアカウントが作成され、ログインできるようになります。 これをユーザの登録の完了と呼びます。 この作業は gate-daily(8) から起動された gate-db-to-passwd(8), gate-db-to-shadow(8), gate-db-to-group(8), gate-make-home(8), gate-db-to-sudoers(8) によって実行されます。 gate-daily がいつ起動されるかは設定によります。 cron(8) によって定期的に起動される場合もあれば、 gate-user-accept(1) などのコマンドから gate-syncd(8) に送られた信号と同時に起動される場合もあります。

ログイン名のリストは 登録申請中のものを含めて gate-user-list(1) コマンドで表示できます。 ログイン名から登録情報を得るには gate-user-show(1) コマンドを用います。

登録内容を変更する場合は、 まず gate-user-show(1) コマンドで自分の登録内容を表示させておいて、 これを適宜書き換えたあとで gate-user-renew(1) コマンドの入力として与えます。 登録内容の変更は承認を必要とせず、 次回の gate-daily(8) 実行時に反映されます。 (なお、登録内容の変更を WWW 経由で行うために gate-user-renew.cgi が用意されています)

登録を抹消する場合は gate-user-withdraw(1) コマンドを用います。

DNS 登録操作の流れとコマンド

DNS 登録を行いたい利用者は書式 gate-user-db(5) にしたがって登録申請カード (ファイルのことです) を作成します。 このファイルを gate-ip-apply(1) コマンドの入力として与えるとユーザ登録申請が行われます。 同時に、登録申請カードの「申請者の連絡先」と「保証人」に 電子メールでユーザ登録申請が行われた旨が通知されます。 なお、「保証人」欄にはすでにユーザ登録を済ませている 保証人有資格者 ( gate ユーザを保証人とするもの) を記入しなければなりません。 (なお、申請カード作成から登録申請までの処理を WWW 経由で 行うために gate-ip-apply.cgi が用意されています)

通知を受けた保証人は申請が正当なものであることが確認できたら gate-ip-accept(1) コマンドによって登録承認を行います。 不審な申請は gate-ip-accept(1) コマンドによって却下してください。 登録の承認または却下は申請者と保証人に電子メールで通知されます。 (なお、承認または却下の処理を WWW 経由で行うために gate-ip-accept.cgi が用意されています)

承認のあと 実際に 1 st DNS サーバ上にゾーンファイルが作成され ます。 これを DNS の登録の完了と呼びます。 この作業は gate-daily(8) から起動された gate-db-to-zone(8), gate-ip-update(8) によって実行されます。 gate-daily がいつ起動されるかは設定によります。 cron(8) によって定期的に起動される場合もあれば、 gate-user-accept(1) などのコマンドから gate-syncd(8) に送られた信号と同時に起動される場合もあります。

ホスト名のリストは 登録申請中のものを含めて gate-ip-list(1) コマンドで表示できます。 ホスト名から登録情報を得るには gate-ip-show(1) コマンドを用います。

登録内容を変更する場合は、 まず gate-ip-show(1) コマンドで自分の登録内容を表示させておいて、 これを適宜書き換えたあとで gate-ip-renew(1) コマンドの入力として与えます。 登録内容の変更は承認を必要とせず、 次回の gate-daily(8) 実行時に反映されます。 (なお、登録内容の変更を WWW 経由で行うために gate-ip-renew.cgi が用意されています)

登録を抹消する場合は gate-ip-withdraw(1) コマンドを用います。

プライベートIPアドレス 登録操作の流れとコマンド

プライベートIPアドレス 登録を行いたい利用者は書式 gate-user-db(5) にしたがって登録申請カード (ファイルのことです) を作成します。 このファイルを gate-pip-apply(1) コマンドの入力として与えるとユーザ登録申請が行われます。 同時に、登録申請カードの「申請者の連絡先」と「保証人」に 電子メールでユーザ登録申請が行われた旨が通知されます。 なお、「保証人」欄にはすでにユーザ登録を済ませている 保証人有資格者 ( gate ユーザを保証人とするもの) を記入しなければなりません。 (なお、申請カード作成から登録申請までの処理を WWW 経由で 行うために gate-pip-apply.cgi が用意されています)

通知を受けた保証人は申請が正当なものであることが確認できたら gate-pip-accept(1) コマンドによって登録承認を行います。 不審な申請は gate-pip-accept(1) コマンドによって却下してください。 登録の承認または却下は申請者と保証人に電子メールで通知されます。 (なお、承認または却下の処理を WWW 経由で行うために gate-pip-accept.cgi が用意されています)

承認のあと 実際に DHCP & IPマスカレード サーバに設定ファイルが生成されます。 これを プライベートIPアドレス の登録の完了と呼びます。 この作業は gate-daily(8) から起動された gate-db-to-zone(8), gate-ip-update(8) gate-pip-update(8) によって実行されます。 gate-daily がいつ起動されるかは設定によります。 cron(8) によって定期的に起動される場合もあれば、 gate-user-accept(1) などのコマンドから gate-syncd(8) に送られた信号と同時に起動される場合もあります。

ホスト名のリストは 登録申請中のものを含めて gate-pip-list(1) コマンドで表示できます。 ホスト名から登録情報を得るには gate-pip-show(1) コマンドを用います。

登録内容を変更する場合は、 まず gate-pip-show(1) コマンドで自分の登録内容を表示させておいて、 これを適宜書き換えたあとで gate-pip-renew(1) コマンドの入力として与えます。 登録内容の変更は承認を必要とせず、 次回の gate-daily(8) 実行時に反映されます。 (なお、登録内容の変更を WWW 経由で行うために gate-pip-renew.cgi が用意されています)

登録を抹消する場合は gate-pip-withdraw(1) コマンドを用います。

ファイル

/etc/gate.conf
- gate-toroku-system の設定ファイルです。 詳しくは gate-conf(5) を参照してください。 以下で説明しているファイルやディレクトリなどのほとんどは このファイルの設定によって変更することができます。
/home/gate/userdb/
- ユーザデータベースを格納しているディレクトリです。 詳しくは gate-user-db(5) を参照してください。
/home/gate/ipdb/
- DNSデータベースを格納しているディレクトリです。 詳しくは gate-user-db(5) を参照してください。
/home/gate/pipdb/
- プライベートIPアドレスデータベースを格納しているディレクトリです。 詳しくは gate-user-db(5) を参照してください。
/var/named/ep.zone
- gate-toroku-system に登録されているDNS情報が反映される zone ファイルです。
/usr/local/bin/
- gate-toroku-system においてユーザが使用するプログラムが格納される ディレクトリです。
/usr/local/sbin/
- gate-toroku-system においてシステムが使用するプログラムが格納される ディレクトリです。
/usr/local/lib/gate/
- gate-toroku-system において上記以外のプログラムが格納される ディレクトリです。
/home/gate/public_html
- gate-toroku-system のインストールドキュメントその他が格納される ディレクトリです。
/usr/local/man/ja/
- gate-toroku-system のオンラインマニュアルが格納される ディレクトリです。

参照

本文中で参照したものの他に gate-make-dot-qmail(8) gate-conf(5) を参照してください。

バグ

DNS 登録でIP保証人を gate にできてしまう。

DNS 登録の際に教官自身が自分のIP登録保証人を gate ユーザ にできてしまうためにその後の DNS 変更を行えなくなってしまう場合があります。

原因
このバグは gate-ip-renew(1) においてIP保証人を gate ユーザ に変更できないようなチェックが行われていないことが原因です。

対処
いまのところ教官, その他のユーザにIP保証人を gate ユーザ に変更しないように通知するしかありません。

修正
gate-ip-renew(1) にチェック用のコードを組み込む必要があります。

使用中のIPアドレスでDNS登録申請をおこなえてしまう

既に登録されているホストが使用しているIPアドレスと同じIPアドレスで DNS登録申請を行えてしまいます.

このことにより,

*
同IPアドレスを複数マシンが同時使用することによる通信障害
*
DNSサーバにおいてIPアドレスからホスト名を参照する際の障害

が発生します.

原因
このバグは gate-ip-apply(1) において申請されたIPアドレスが使用中ではないかチェックされていない ことが原因です.

対処
いまのところ, 申請の際に注意してもらうしかありません.

修正
gate-ip-apply(1) にチェック用のコードを組み込む必要があります。

DNS データベースが空の場合に zone ファイルがちゃんと生成されない。

DNS データベースにデータが全く入っていない場合に、 ep.zone がちゃんと生成されません。 具体的には gate-ip-show(1) に空の引数を渡した時の出力が書き出されてしまいます。

原因
これは gate-db-to-zone(8) のバグです。 このプログラムでは gate-ip-list(1) で現在DNS登録されているホストの一覧を取り出し, これを gate-ip-show(1) に渡してそれぞれのホストの情報を入手した後, ep.zone に書き出します。 問題はDNS登録しているホストが一つもない場合に空の引数を gate-ip-show に渡してしまうことで、このために gate-ip-show からヘルプの出力が返ってきてしまいます。 この出力がそのまま ep.zone に書き出されてしまうのでちゃんとした zone ファイルが生成できません。

対処
これはDNS 登録しているホストが一つでもあれば回避されます。 一つもない場合は DNS の機能を停止しておくと良いでしょう。

修正
gate-ip-list(1) からホストが一つも返って来なかった場合は gate-ip-show(1) を通さずに ep.zone を生成するように gate-db-to-zone(8) を修正する必要があります.

著作権情報

豊田英司 mailto:toyoda@gfd-dennou.org

山田学 mailto:mym@ep.sci.hokudai.ac.jp

奥山尚範 mailto:okuyama@gfd-dennou.org

森川靖大 mailto:morikawa@ep.sci.hokudai.ac.jp


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