Heki, K. Space Geodetic Observation of Deep Basal Subduction Erosion in Northeastern Japan,

Earth Planet. Sci. Lett., 219, 13-20, 2004.

三陸海岸は典型的なリアス式海岸であり、大地の長年にわたる沈降によって形成 されたといわれています。東北日本弧の前弧(太平洋側)のGPSデータは、地震間 地震時の両方で沈降を示し、この地域の上下動が地震サイクルでの和がゼロでなく 負になっていることを物語っており、沈降海岸の地形とも調和的です。一方西南 日本弧では地震サイクル毎に室戸岬などの突端は隆起してゆくことが知られています。 この違いを理解するために、島弧に直交する方向の速度断面をとり、鉛直および 水平速度を海溝からの距離の関数として表し、沈み込み帯の速度場の説明に従来 用いられているすべり欠損モデルの予測との比較を行いました。 その結果西南日本では上下、鉛直ともほぼ観測された速度はモデ ルに一致、一方東北日本では水平速度はモデルと良く一致するものの、鉛直速度 に関してはモデルは太平洋岸では隆起を予測するのに現実は沈降しており、鉛直 速度が有意に負にずれることが見いだされました。その原因として本論文では造 構性侵食(subduction erosion 又はtectonic erosion)との関連を論じています。 これは1973年に小松左京の「日本沈没」で日本を沈没させた過程がゆっくりでは あるが現実に進行していることを示唆しています。

Observation of tectonic erosion in a subduction zone has been difficult as it leaves little geological and geophysical evidence. Three-dimensional velocity profiles of crustal movement obtained by Global Positioning System (GPS) across the northeastern Japan (NEJ) and southwestern Japan (SWJ) agree well with those predicted by the elastic loading of the subducting slabs. However, vertical velocities in the NEJ forearc show significant negative deviation (relative subsidence). This may indicate loss of material at the plate interface that can be attributed to the erosion of the upper plate by the underthrusting slab (basal subduction erosion). The estimated rate (15 mm/yr down to a slab depth of 90 km) is somewhat faster than the geological average; the erosion speed may be variable being controlled by the surface roughness of subducting slabs.  


日置幸介 (email: heki@ep.sci.hokudai.ac.jp)