Debian GNU/Linux インストールガイド

  1. 準備
  2. 基本システムのインストール
  3. さらなるパッケージの追加
  4. 参考文献

1. 準備

Debian のインストール用ディスクを手元に用意します。 まだ作成していない場合は、 こちらを参照し、作成します。

用意するものは以下の通りです。



2. 基本システムのインストール

[2.0] ノートと筆記用具の用意

ここからは多くのメッセージが表示され、多くの設定作業を伴います。 レポートに書き漏らさぬよう、適切に記録をとることをお勧めします。

グループで作業しているのですから、1人が記録係、 もう1人が作業係、というように役割分担すると良いでしょう。

黒のアンダーラインはリンクではなく、 レポートを書く際に気を付ける事項を表しています。 見逃さないようにメモしておきましょう。


[2.1] BIOS の設定

ブートシークエンスが上から順に、 フロッピーディスクドライブ、 CD-ROM ドライブ、 ハードディスク の順になっていることを確認して下さい。

異なっている場合は変更します。なお、 前々回の BIOS の設定の仕方に則って設定していれば、 特に変更する必要はありません。


[2.2] 起動

rescue ディスクをフロッピーディスクドライブに入れ、 コンピュータを起動させます。

「boot:」と表示が出たら Enter(Enter キー)を押します。

「Insert root floppy disk ...」と表示が出たら root ディスクをフロッピーディスクドライブに入れ、 Enter(Enter キー)を押します。


[2.3] Release Note の表示

Release Note が表示されるので、眺めて気分を味わいましょう。 Debian の開発者達に十分感謝した上で <Continue>。


[2.4] インストーレーションメインメニュー

インストールに関するメインメニューが表示されます。 このメニューを使って、Debian の各設定とインストールを行います。

「Next:」(次)の欄には、その時点で必要な項目が 自動的に割り当てられているので、基本的にこれを選ぶだけで設定を進められます。 「Alternate:」(代替)には、「Next:」に次いでその時点で選択する可能性の高い項目が 割り当てられています。

各メニュー項目は十字キーの上下で選択し、 Enter(Enter キー)を押すことで、 そのメニュー項目の設定画面へ移る、または設定を決定します。 現在選択されている項目は、青く反転表示されます。

まれに十字キーで移動できない項目がありますが、この場合は Tab キーで移動します。

このメインメニューから抜けて途中で終了させるには、 メニュー項目最下部付近にある「Reboot the System」を選択/決定します。 但し、インストール途中で再起動すると、思わぬ問題が発生する場合がありますから、 原則としてインストールは最後まで通して行って下さい。

表示されるメッセージは全て英語ですが、嫌がらずに読めば、大抵分かるようになっていますので、 読み飛ばさぬよう願います。 ※レポートには、どのようなメッセージが表示されていたか、についても言及しましょう。


[2.4.1] キーボードの選択 - Configure the Keyboard

まず「Next (キーボードの設定)」を選択/決定し、 「qwerty/jp106: Japan」を選択/決定します。


[2.4.2] ハードディスクのパーティション作成 - Partition a Hard Disk

これまでに FIPS により、ハードディスクの Windows 領域と Linux 領域を分割しました。 ここでは残りの領域をさらに、システム領域 / (ルート)と、ユーザー領域 /home に分けます。 なおメモリ(RAM)の要領が十分にあるので、スワップ領域は作らないことにします。

Debian をインストールするパーティションを作成するハードディスク(/dev/hda)を選択すると、 cfdisk が表示されます。

この画面では、十字キーの左右で実行項目(コマンド)の選択を、 十字キーの上下で操作対象となるパーティションの選択を行います。 Enter(Enter キー)を押すと、 現在選択中の項目(コマンド)の実行を、対象パーティションに対して行います。

以下に選択可能な項目(コマンド)を対象別に示します。

作成済みのパーティションに対して選択可能な項目(コマンド)
項目(コマンド) 効果
Bootable 起動可能であることを示すブートフラグを付けます
Delete パーティションを削除します
Help 操作ヘルプを表示します
Maximize パーティションの未使用領域を活用します。 ただし、他のOSでディスク管理した際に問題が発生する可能性があります。
Print パーティションの詳細情報を画面またはファイルに出力します
Quit パーティション情報をディスクに書き込まずに終了します。 パーティション情報の変更はキャンセルされます。
Units パーティションのサイズの表示を、MB→セクタ数→シリンダ数、 と切り替えます。
Write パーティション情報をディスクに書き込みます

空き領域(Free Space)に対して選択可能な項目(コマンド)
項目(コマンド) 効果
Help 操作ヘルプを表示します
New 新しいパーティションを作成します
Print パーティションの詳細情報を画面またはファイルに出力します
Quit パーティション情報をディスクに書き込まずに終了します。 パーティション情報の変更はキャンセルされます。
Units パーティションのサイズの表示を、MB→セクタ数→シリンダ数、 と切り替えます。
Write パーティション情報をディスクに書き込みます

パーティションを作成するディスク (/dev/hda) を選択し、 残りの ** GB のうち、** GB を / (ルート)に、** GB を /home に分割します。 ** は好きな数字で置き換えて下さい。まあ、システム領域に 2 GB、 残りをユーザ領域といった具合で構わないでしょう。 また hda1 (Windows 領域) に付いていた boot フラグを hda2 (/ 領域)に 付けかえます。

最初の状態では、FAT32 のパーティションが2つあるわけですから、 手順としては、おおよそ次のようになるでしょう。

  1. Windows 用のパーティションを残し、他をいったん [Delete]。
  2. そうして出来た Free Space に [New] してシステム領域を作成。
  3. 残りの Free Space に [New] してユーザー領域を作成。
  4. Windows 用パーティションのブートフラグを外す。
  5. Linux 用ルートパーティションにブートフラグを立てる。
  6. [Write] して変更をディスクに反映させる。
  7. cfdisk を [Quit] し、次のインストール項目へ。
  Name     Flag    Part Type    FS Type       [Label]     size (MB)
--------------------------------------------------------------------
  hda1             Primary      Win98 Fat32               **
  hda2     Boot    Primary      Linux                     **
  hda3             Primary      Linux                     **

[2.4.3] スワップパーティションの初期化 - Initialize and Activate a Swap Partition

スワップパーティションを作成しなかったので、 メニューの "Next" には再度 "Partition a Hard Disk" が表示されます。 今回、スワップパーティション領域は取らないので、 「Alternate: Do Without a Swap Partition」 を選択/実行します。


[2.4.4] Linux パーティションの初期化 - Initialize a Linux Partition

「Next: Initialize a Linux Partition」を選択/実行。 /dev/hda2を選択(OK)します。

幾つか質問されますが、全てデフォルトのままにします。 最後にマウントポイントを / にするか聞いてくるので Yes を選択します。

メニューに戻ります。

/dev/hda3 も初期化したいので、 「Alternate: Initialize a Linux Partition」を選択/実行。 /dev/hda3 を選択(OK)します。

幾つか質問されますが、全てデフォルトのままにします。 最後にマウントポイントを聞かれるので、 /home を選択します。

※ここでどのような事が行われているのか、レポートで言及しましょう。


[2.4.5] カーネルとモジュールのインストール - Install Operationg System Kernel and Modules

「Next: Install Operationg System Kernel and Modules」 を選択/決定します。 インストールメディア を聞かれるので、 first floppy driveを選択します。 パスを聞かれますが、デフォルトのままで結構です。 画面の指示に従ってフロッピーディスクを入れます。 rescue ディスク、driver ディスクが要求されます。

この間、フロッピーからのデータの読み込みに少々時間がかかるので、 今までの作業を軽くまとめてみると良いかもしれません。


[2.4.6] デバイスドライバモジュールの設定 - Configure Device Driver Modules

「Next: Configure Device Driver Modules」を選択/決定。 以下のモジュールをインストールします。

※ここで言う"モジュール"とは何か、 及び各カテゴリの概要について、 レポートで触れることができればエライ。


[2.4.7] ネットワークの設定 - Configure the Network

「Next: Configure the Network」を選択/決定します。 途中で聞かれる「DHCP を使いますか」という質問には、 No を選択します(英語をよく読もう!)。

入力項目 入力内容
ホスト名 joho**
(** には情報実験機の番号を入力。最初に表示されてる debian は消す。)
IP アドレス 192.168.0.1**(** には情報実験機の番号を入れて下さい. 例えば joho01 ならば, 192.168.0.101)
ネットマスク 255.255.255.0
ゲートウェイ 192.168.0.1
ドメイン名 ep.sci.hokudai.ac.jp
DNS サーバ 133.87.45.70 133.87.45.66 133.87.1.11
(各 IP をスペースで区切って入力)

※"DHCP"とは何か、そして何故ここではNo を選択したか、 レポートにて言及できればなお素晴らしい。


[2.4.8] 基本システムのインストール - Install the Base System

「Next: Install the Base System」を選択/決定。 インストールメディア を聞かれるので、 first floppy drive を指定します。 パスを聞かれるがデフォルトのままで結構です。 画面の指示に従ってフロッピーディスクを入れましょう。


[2.4.9] 基本システムの設定 - Configure the Base System

「Next: Configure the Base System」を選択/決定します。

ディレクトリ:
..
タイムゾーン(時間帯):
Japan
マザーボードに搭載されている時計の時間を GMT(グリニッジ標準時)に合わせるか:
No

[2.4.10] HDD から OS がブートできるように設定 - Make Linux Bootable Directory From Hard Disk

「Next: Make Linux Bootable」を選択/決定します。 Linux のブートローダである LILO をインストールする場所を聞かれるので、 /dev/hda を選択します。


[2.4.11] システムの再起動 - Reboot the System

起動用 FD を作ることもできますが、今回は不要なので、 「Alternate: Reboot the System」を選択します。

「システムを再起動しますか?」と聞かれるので、 Yes を選択します。 自動的にリブートするので、OS がシャットダウンし終わったら、 CD-ROM やフロッピーは取り出しておきましょう。


[2.5] 再起動後の設定

再起動すると以下の質問が行われます。

※PPP とは何でしょう? 何故ここでは使わないのでしょうか。 レポートにて言及してみましょう。


[2.6] Apt Configuration

Debian GNU/Linux では、ソフトウェア(パッケージ)を全てネットワーク上からダウンロードし、 インストールすることが出来ます。この機能を apt というソフトウェアが担っています。 (どこにどのように Debian 用パッケージが集積されているかについては、 こちらを参照のこと)



[2.6.1] 設定ファイルの編集

パッケージのインストール画面では、まず apt の設定方法を聞かれるので、 edit source by hand を選択します。

するとエディタ ae が起動します。 ここでは Debian 用パッケージを、ネットワークの何処から取得するかを記述します。

画面上部には ae におけるコマンド一覧が、画面下部には実際の編集画面が表 示されます。画面上部に書かれているコマンドは、「^A^B」といった風ですが、 この場合、Ctrl キーを押しながら A を押し、続いて Ctrl キーを押しながら B を押す、という意味です。編集画面にて、以下の 5 行を記述しましょう。 (長いので間違いのないように。スラッシュを省略しないように。)

deb ftp://ftp.ep.sci.hokudai.ac.jp/pub/Linux/debian potato main contrib non-free deb ftp://ftp.ep.sci.hokudai.ac.jp/pub/Linux/debian-jp potato-jp main contrib non-free deb ftp://ftp.ep.sci.hokudai.ac.jp/pub/Linux/debian-non-US potato/non-US main contrib non-free deb ftp://ftp.ep.sci.hokudai.ac.jp/pub/Linux/debian/ dists/potato-proposed-updates/

結果を保存するには、Ctrl キーを押したまま x と w を押します。 そうすると 1 行目に保存先のファイル名が現れるので、 /etc/apt/sources.list と書かれてい事を確認して Enter(Enter キー)を押します。

ae を終了させるには Ctrl キーを押したまま q を押します。 すると書かれた設定が正しいかどうか(ネットワーク上にそのような ホストがあるかどうか)のチェックが始まります。 設定が間違っている場合には、「Fail to fetch」というエラーが出ます。 その画面で OK を押すと ae の編集画面に戻ります。 設定が正しい場合にはさらに別の設定を追加するか尋ねられます。 もはや必要ないので No を選択します。



[2.6.2] パッケージの選択

apt の設定に問題がなければ、パッケージの選択方法を決めます。 ここでは、Simple を選びます。 Simple では用途に合わせた複数の関連パッケージ集(task packages) を取捨選択して環境を構築します。

タスクパッケージの選択画面が表示されるので、以下の項目に合わせてスペースキーを押し、 選択します。(選択するとアスタリスクが付きます)

選択が終了したら、<Finish> を選択します。 この後、幾つか質問される場合がありますが、メッセージをきちんと読み、 適切に対処して下さい。



[2.6.3] インストール途中に聞かれる質問への答え方

インストールの途中に、ソフトウェアの設定をするように求められることが あります。これらはデフォルトのまま、もしくは設定しないを選んでおけば 良いでしょう。実際に使う時に設定するのが良いと思います。

以下は上記のタスクパッケージを選択した時に聞かれる質問と、 その答え方の例です。参考にして下さい。(ほとんどがデフォルトのままです)

これでインストールプログラムは終了します。 インストールには 20 分くらいかかるかもしれません。



3. さらなるパッケージの追加

今までの作業でシステム本体のインストールは終了しました。しかし、 ssh 等の必須パッケージが未だインストールされていないため、 それらをインストールする必要があります。

上記のインストール作業が完了すると、 最終的にログインプロンプト(login: という表示)が表示されます。 root でログインし、パッケージを追加しましょう。また使わないパッケージを 削除しましょう.

# apt-get install sshEnter
# apt-get install sudoEnter
# apt-get install mnewsEnter
# apt-get install netscapeEnter
# apt-get install netscape-ja-resource-477Enter
# apt-get install gimpEnter
# apt-get install tgifEnter
# apt-get install xserver-mach64Enter
# apt-get remove telnetdEnter
# apt-get remove ftpdEnter
# apt-get remove nfs-commonEnter

上で行ったような Debian でパッケージを追加インストールする方法について、 こちらを参照しておいて下さい。

ここまで終了したら、インストール後の設定を行います。 トップページへ戻り、次のテキストを参照して作業を行いましょう。



4. 参考文献





最終更新日: 2002/01/06(杉山耕一朗) Copyright © 2001 inex