UNIX のコマンドも、やはり実体はファイルです。
これらは /bin、/usr/bin、/sbin などにあります。
コマンドを実行するには、そのコマンドのファイル名を入力し、
Enter キーを押します。
ほとんどのコマンドは、そのマニュアルを man コマンドで参照できます。
幾つかのコマンドは、オプションや引数を指定することができます。
オプションは大抵 '-' 記号で始めます。
UNIX の代表的なコマンド一覧
コマンド名 |
意味 |
adduser |
新規ユーザーを追加する. |
alias |
コマンドに別名(エイリアス)をつける |
cat |
ファイルの中身を標準出力へ表示する |
cd |
現在のディレクトリ(カレントディレクトリ)を、
指定されたディレクトリに変更する |
chmod |
指定されたファイルもしくはディレクトリのモードを変更する. |
chown |
指定されたファイルもしくはディレクトリの所有者や所有グループを変更する. |
cp |
ファイルをコピーする |
echo |
文字列を表示する |
export |
環境変数として変数を設定する |
less |
指定されたファイルを表示する. |
ls |
ファイルやディレクトリの一覧を表示する |
man |
オンラインマニュアルを表示する. |
mkdir |
指定された名前のディレクトリを作成する. |
more |
指定されたファイルを表示する. |
rm |
ファイル(ディレクトリも含む)を削除する. |
rmdir |
指定されたディレクトリを削除する. |
passwd |
指定されたアカウントのパスワードを変更する. |
pwd |
カレント・ディレクトリを表示する. |
set |
現在設定されている環境変数を一覧する |
vipw |
パスワードファイルである /etc/passwd と /etc/shadow を編集する. |
finger |
ログインしているユーザの情報の表示 |
-
書式:
man [コマンド]
-
解説:
オンラインマニュアル表示コマンド。
ほとんどのコマンドは日本語マニュアルが付属しているので、
コマンドの使い方がわからない場合には、引いてみると良いでしょう。
詳細は、man manを実行してみてください。
-
例:
ls コマンドのマニュアル表示: man ls
host を含む man ファイルの表示: man -k host
-
書式:
ls [オプション] [ディレクトリ]
ls [オプション] [ファイル]
-
解説:
ファイルやディレクトリの一覧を表示します。
対象となるファイルやディレクトリを指定しない場合、
現在のディレクトリ(カレント・ディレクトリ)内の一覧が表示されます。
代表的なオプション
オプション |
効果 |
-a |
ファイル名が「.」で始まる隠しファイルも表示 |
-c |
更新時刻順に並べて表示 |
-d |
ディレクトリの属性表示 |
-F |
ディレクトリには/を、実行可能なファイルには * 又は @ を付加表示 |
-l |
パーミッションや持ち主などの詳細属性(ファイルモード)も表示 |
-r |
逆順に並べて表示 |
-R |
サブディレクトリ以下の内容も表示 |
-s |
ファイルの大きさを表示 |
--color |
色つきで一覧を表示 |
-
例:
ホームディレクトリ内の全ファイル&ディレクトリを詳細情報と共に表示:
ls -la ~/
-
書式:
cat [ファイル]
-
解説:
ファイルの中身を標準出力へ表示します。
ファイルの閲覧は勿論のこと、
他にも色々と利用可能なコマンドです。
-
例:
au(Sun Audio format)ファイルの再生: cat sound.au > /dev/audio
-
書式:
cd [ディレクトリ]
-
解説:
現在のディレクトリ(カレントディレクトリ)を、
指定されたディレクトリに変更します。
対象となるディレクトリを指定しない場合、
ホームディレクトリが指定されたものと見なされます。
-
例:
ホームディレクトリへ移動する: cd
-
書式:
mkdir [ディレクトリ]
-
解説:
指定された名前のディレクトリを作成します。
-
例:
sample という名前のディレクトリを作成: mkdir sample
-
書式:
rm [オプション] [ファイル(ディレクトリ)]
-
解説:
ファイル(ディレクトリも含む)を削除します。
このコマンドで削除されたものはほとんど元に戻せないため、
慎重に利用して下さい。(特に root )
代表的なオプション
オプション |
効果 |
-i |
削除するかどうか確認してくる。 |
-f |
読み取り専用ファイルでも削除。また、i オプションを無効にします。 |
-r |
中にあるファイルごと、指定されたディレクトリを削除する。 |
-
例:
sample という名前のファイルを削除: rm sample
ディレクトリ /home をまるごと消去(危険): rm -rf /home
-
書式:
rmdir [ディレクトリ]
-
解説:
指定されたディレクトリを削除します。
ただし、削除しようとするディレクトリは、空でなければなりません。
中身ごとディレクトリを削除するには rm コマンドを使います。
-
例:
空のディレクトリ sample を削除: rmdir sample
-
書式:
more [ファイル]
-
解説:
指定されたファイルを表示します。
cat と違い、閲覧する上で便利な様に作られています。
more の高機能版として less があります。
-
書式:
less [ファイル]
-
解説:
指定されたファイルを表示します。
more ではできなかったバックスクロールに対応、
他にも gzip で圧縮されたファイルをそのまま見られるなど、
いろいろな機能が付け加えられています。
キーバインド
キー |
説明 |
数字 |
指定行に移動 |
f, SPACE, ^V, ^F |
1画面前進 |
b, ^B, ESC-v |
1画面後退 |
f, SPACE, ^V, ^F |
1画面前進 |
RETURN, e, j, ^N, ^E, ^J |
1行前進 |
y, k, ^Y, ^P, ^K |
1行後退 |
d, ^D |
1/2画面前進 |
u, ^U |
1/2画面後退 |
r, ^R, ^L |
画面を再表示 |
R |
ファイルを読み直して再表示 |
g, <, ESC-< |
先頭行に移動 |
G, >, ESC-> |
最終行に移動 |
/[!*@]文字列 |
文字列を前方検索(正規表現も可能) |
/!文字列 |
文字列を含まない行を検索 |
/*文字列 |
コマンドラインで指定した全てのファイルを検索 |
/@文字列 |
ファイルの先頭から検索 |
?[!*@]文字列 |
文字列を後方検索。/と同じ機能を持つ |
n |
次検索 |
N |
nとは逆方向に次検索 |
ESC-u |
検索にマッチした部分の反転表示を解除 |
v |
エディタを起動して現在表示しているファイル編集(環境変数 EDITOR) |
=, ^G, :f |
現在位置の行数、バイト数、パーセンテージを表示 |
h |
簡易ヘルプを表示 |
V |
バージョンを表示 |
q, :q, :Q, ZZ |
lessを終了 |
!(リターン) |
シェルを起動(環境変数SHELL) |
!コマンド |
コマンドを実行 |
!! |
直前の「!コマンド」を再実行 |
-
書式:
passwd [アカウント]
-
解説:
指定されたアカウントのパスワードを変更します。
何も指定しないと自分のアカウントが指定されたとみなされます。
通常、自分以外のアカウントのパスワードを変更できるのは root のみです。
詳しくは、[3.4.2] ログイン用パスワードの変更法
を参照して下さい。
-
書式:
pwd
-
解説:
カレント・ディレクトリを表示します。echo $cwd と同義です。
-
書式:
vipw
-
解説:
パスワードファイルである /etc/passwd と /etc/shadow を編集します。
具体的には、オプション無しで passwd ファイル、
-s オプションで shadow ファイルを編集します。
環境変数 EDITOR でエディタを明示的に指定していない場合、
vi が起動します。
vi で直にファイルを編集する場合と異なり、
安全のため、複数の人間が同時に編集できないようファイルがロックされます。
具体的な vi の操作法は、7. 最低限 vi
を参照して下さい。
-
書式:
chmod [ファイル]
chmod [ディレクトリ]
-
解説:
指定されたファイルもしくはディレクトリのモードを変更します。
モードは属性あるいはパーミッションとも表現されます。
詳細は、[4.2.2] 利用権限の設定(ファイルモードの設定)
を参照して下さい。
-
書式:
chown [アカウント名] [ファイル]
chown [アカウント名].[グループ名] [ファイル]
chown .[グループ名] [ファイル]
-
解説:
指定されたファイルもしくはディレクトリの所有者や所有グループを変更します。
グループ名を指定する場合は、直前にピリオド(.)を付けるのを忘れずに。
-
書式:
finger [アカウント名]
finger
-
解説:
現在ログインしているユーザの情報の表示をします.
引数としてユーザ名を与えると, そのユーザの情報(/etc/passwd に
書かれた内容)も合わせて表示します.
-
書式:
export [変数名]=[変数]
-
解説:
環境変数として変数を設定します.
-
例:
LANG 環境変数を日本語に設定する: export LANG=ja_JP.ujis
PAGER 環境変数を less に設定する: export PAGER=less
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書式:
echo [文字列]
-
解説:
文字列を表示します. 何も指定しないと標準出力(モニタ)に表示されますが,
リダイレクト(>)を付けることでファイルに書き込むこともできます.
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例:
モニタに "Hello World" を表示: echo "Hello World"
test.txt ファイルに "Hello World" を書き込む: echo "Hello World" > test.txt
test.txt ファイルに "Hello World" を追記: echo "Hello World" >> test.txt
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書式:
alias [別名]='[コマンド名]'
alias
-
解説:
コマンドに別名(エイリアス)をつけます.
引数を与えないと, 現在設定されている別名が一覧されます.
-
例:
ls として 'ls --color' を設定: alias ls='ls --color'
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書式:
set
-
解説:
現在設定されている環境変数を一覧する.
-
書式:
cp [コピー元ファイル名] [コピー先ファイル名]
-
解説:
ファイルのコピーを行います.
-
例:
test1.txt を test2.txt にコピー: cp test1.txt test2.txt