情報実験機用 セットアップ CD の作成方法 & 使用方法

以下ではセットアップ CD の作り方と使い方を述べる. ボランティア TA の方に 読んで頂きたいのは「セットアップ CD の使い方」の部分です.


作業手順

  1. セットアップ CD の使い方
  2. セットアップ CD の作り方

1. セットアップ CD の使い方

1.1 用意するもの

準備として以下のものを用意する.

この CD を作成する際に 1.44 MB フロッピー用のインストーラを編集したために root.bin ディスクが必要となっています.

1.2 BIOS の設定

セットアップ CD を入れる前に BIOS の設定を行う. BIOS の設定を行うためには計算機を起動後, しばらくして Del キーを押して下さいと 画面左下に出るのでそのタイミングで Del キーを入力する.

ブートシーケンスは CD-ROM から起動するようにする. そうしないと CD から起動しないので注意.

1.3 セットアップ CD で行う設定

セットアップ CD から起動し, 以下のことを行う. このディスクを入れると Debian GNU/Linux のインストーラが起動する.

起動する最中に root.bin のディスクを要求されるので, root.bin ディスクをフロッピードライブに入れる.

インストーラ画面では以下のことを行う.

  1. キーボードの設定 (Configure the Key Board)
    qwerty/jp106 Japan を選択
  2. ハードディスクのパーティション分け (Partition Hard Disk)
  3. スワップパーティションの設定は行わない(alternative: do without swap partition).
  4. ハードディスクの初期化・マウント(Initialize Hard Disk)

1.4 ディスクのセットアップ

ハードディスクの初期化, マウントポイントを / としてから インストーラーのメニュー画面を下の方までスクロールして "exec shell" を選択し, シェルを起動する.

尚, この時のファイルシステムは以下のようになっている.

/dev/root/
/dev/hda1/target

以下はシェル(ash)上での作業となる. まずセットアップ CD を read-only でマウントする.

# mount -o ro /dev/hdb /mnt

dump されたイメージを /target 以下に展開する. 一次保存ディレクトリとして TMP を用意する.

# mkdir /target/TMP
# cd /target/
# /mnt/restore -r -f /mnt/root.boot -T TMP

最後に lilo を実行する. -r オプションを付けて実行する. (target ディレクトリ以下で lilo が実行される.)

# lilo -r /target
# umount /mnt

CD, フロッピーディスクを抜いて PC を再起動する.

1.5 各々の設定

root でログインし, 以下の設定を変更する. (root のパスワードは村田まで.)以下の編集を行う事.

  1. /etc/hostname の編集
    joho と書かれているので, joho** (** は情報実験機の番号)を入れる
  2. /etc/hosts の編集
    joho と書かれているので, joho** (** は情報実験機の番号)を入れる
  3. /etc/network/interfacesの編集
         auto eth0
         iface eth0 inet static
         #   adress 192.168.0.101  
         #   netmask 255.255.255.0
         #   network 192.168.0.0
         #   broadcast 192.168.0.255
         #   gateway 192.168.0.1
         
  4. /etc/skel/.emacs の編集.

    作成者が間抜けなために余計に仕事を増やしてしまいました. すいません.

    編集前
    (set-keyboard-coding-system 'euc-japanese)
    編集後
    (set-keyboard-coding-system 'euc-japan)

1.6 ユーザアカウントの作成

自分と TA のユーザアカウントを作成しておしまい. sudo 権限も与えておくべく /etc/sudoers ファイルを編集する.

1.7 最後の確認作業

最後に動作チェックをする. 以下がそのリスト. 問題なければ終了.

お疲れ様でした.


2. セットアップ CD の作り方

2.1 準備

2.2 雛型となるマシンのセットアップとそのディスクイメージの作成

まず Debian GNU/Linux をインストールしたマシンを用意する. インストール時に注意すべきことはこちらを参照.

次に雛型となるマシンのハードディスクイメージを作成する. 今回は root.boot というファイルに / 以下のイメージ(/dev/hda1)を書き込む.

dump コマンドはパーティション単位でバックアップ・ファイルを作成するので, /dev/hda1 のイメージを /dev/hda1 内のファイルに書き出すことはできない. 別なパーティションは用意してそちらに作成する.

バックアップはシングルユーザーモードで行うのが望ましい.

# mount -a /dev/hda2 /TMP
# dump -0u -s 100000 -f /TMP/recover/root.boot /
-s オプションで書き込める量を調節(適当な値を入力). デフォルトは 2300 feet (1 feet = 42 MB) このとき, 出来上がったイメージの大きさは 39260160 byte だった. CD の容量(640 MB)を超えないように注意.

CD の容量を超えてしまった場合は gzip を用いて圧縮をかける.

# gzip /TMP/recover/root.boot

2.3 rescue.bin の編集

loopback デバイスを使って, 用意した イメージファイル(rescue.bin)をファイルシステムとしてマウントする.

そして rescue.bin 中の linux.bin を /boot/vmlinuz で置き換える.
# mount -o loop /TMP/recover/rescue.bin /mnt
# cp /boot/vmlinuz-2.2.20 /mnt/linux.bin
# umount /mnt

2.4 CD のイメージの作成

mkisofs を使って CD イメージを作成する.

ここでは /TMP/recover/ 以下に必要なファイルを揃え, それらを CD イメージに変換した. 少なくとも以下のファイルは必要.

# cd /TMP/recover/
# mkisofs -b rescue.bin -c boot.cat -R -o rcd.img ./
	オプション: -b ブートイメージ (ブートフロッピーのイメージを指定)
		    -c カタログ (ブートイメージに対するカタログファイルの指定, mkisofs が自動生成)
		    -R (RockRidge 形式に対応したファイル情報を CD イメージファイルに付加)
		    -o ファイルネーム (イメージファイルの出力先)

これにより, rcd.img という CD イメージが作成された. これを CD-R を使って CD に焼けば良い.

2.5 CD-R ドライブでセットアップ CD を作成

CD-R ドライブを用いて CD に焼く場合, CD イメージから作成する方法を取らないと rescue.bin から起動されないので注意.

参考: dump をソースからインストール

dump はライブラリーとして e2fsprogs が必要なのでこちらも ソースからインストールする.

# apt-get source dump
# apt-get source e2fsprogs

e2fsprogs をコンパイルする. INSTALL に従い, まず生成されたディレクトリに移動して build ディレクトリを作成する.

# cd e2fsprogs-***
# mkdir build
さらに以下のようにする.
# ../configure
# make
# make check
# make install-libs

次に dump のソースディレクトリに移動して 静的リンクを作成するためのコンパイルする.

# ./configure --enable-static
# make
# make install
これで静的リンクされた dump, restore が作成された.
履歴: 2001/09/24 杉山耕一朗 履歴: 2002/09/12 村田泰洋