<<課題>>


情報実験機に新たなハードディスクを取り付ける場合, とり得る手法をその接続方法に
着目して列挙し, それぞれの長所短所に注目して簡潔に説明せよ.



0,PC に取り付けられるハードディスクの調べ方


どのようなハードディスクが取り付けられるのかを調べるには,マザーボードの
説明書を見るのが一番よい.
もし,マザーボードを買う際にハードディスクも買う,と言った場合には,マザー
ボードの箱に書いてある対応規格をみるか,マザーボードのサイトを見る.
今回の課題ある情報実験機は
ASUS P5P800
http://www.asus.co.jp/products4.aspx?modelmenu=1&model=166&l1=3&l2=11&l3=26
である.

情報実験機に増設できる HDD には大きく分けて2つの方法がある.
1つは内蔵タイプ,もう1つは外付タイプである.
内蔵タイプには IDE,SATA,SCSI といった方法がある.
そして外付には USB,IEEE1394,SCSI,ネットワークといった方法がある.

各接続方法の特長は以下に示す.


1,IDE (ATA-4〜ATA-7)


デスクトップ PC に対して増設する際の最も一般的な増設方法といえるだろう.
安価で,ディスク容量に種類が多く,手に入りやすい.
チップセットとの通信速度は最大で 133MB/s(1.06Gbps) であるが,情報実験機は
UltraATA/100 までしか対応していない.
パラレル転送方式.複数の線へデータを分割して送ることで,高速化している.
ところがデータ制御が困難なため,今以上の通信速度に上げるのは難しい.
情報実験機ではプライマリ-マスタに HDD,セカンダリ-マスタに DVDドライブが
接続されているため,あと2台取り付けられる.(拡張ボードなしでは)
IDE ケーブルには40芯のもの(U-ATA/33)と80芯のもの(U-ATA/66以降)がある.

※ ATA-4 〜
ATA,ATAPI が統一された規格.UltraATA.

IDE 規格
ATA1〜3
UltraATA/33〜133(ATA4〜7)

2,SATA (正式には Ultra SATA)


ここ数年で主流になって来始めた IDE に続く(だろう)規格.
IDE はパラレル転送方式を取っているのに対して SATA ではシリアル転送方式が
取られている.それによって転送速度も 1.5Gbps(約190MB/s) と高速化している.
SATA の次のバージョンでは 3.0Gbps を目標としている.
シリアル転送方式を取ることによって,転送線の数が少なくてすむため,
ケーブルが細くなり,扱いやすくなった.
IDE に比べ,ケーブル長も長くなり,最大 1m まで有効である.
マザーボードとは1対1の接続であり,情報実験機では2台まで増設可能である.
(拡張ボードなしでは)
拡張ボードを使用することでそれ以上の増設はできるが,PCI が 133MB/s まで
しか速度が出ないため, SATA も 133MB/s が限界となる.
【参照 : http://www.crast.net/detail/sata_hd_bench.php

UltraSATA 規格
SerialATA/1500,SerialATAII
SerialATA/3000

3,SCSI


情報実験機には拡張ボードを取り付けなくては増設できない.
ただし,拡張ボード(PCI)では,情報実験機の PCI が 133MB/s までしか速度が
出ないため,SCSI もその速度までしか出ない.
ただ,IDE,SATA に比べて安定性は上である.
内蔵・外付両方対応.
扱いが難しいかも.(ターミネータ,ジャンパーピン)
ピンの本数が規格によってバラバラであるため,購入の際には気をつけなくては
ならない.

SCSI 規格
SCSI-1
SCSI-2 (FAST SCSI,WIDE SCSI)
Ultra SCSI (SCSI-3)
Ultra WIDE SCSI
Ultra2 SCSI,Ultra2 WIDE SCSI
Ultra160 SCSI (Ultra3 WIDE SCSI)
Ultra320 SCSI (Ultra4 WIDE SCSI)

4,USB (外付)


情報実験機には USB2.0 のポートが準備されているため,拡張は可能である.
そして,バブを使えば,幾らでもツリー式に拡張できる.(実際は限界があるが,
普通そこまで付ける人はいないだろう)
USB2.0 は 480Mbps,USB1.1 は 12Mbps.
USB2.0 でなければ遅すぎてやってられない.

5,IEEE1394 (外付)


情報実験機には確かポートが準備されていないため,拡張ボードを差し込むことに
よって増設することができる.
IEEE1394a のピンの数は,4 ピンのもの (電源供給無し) と 6 ピンのもの (電源
供給有り) がある.
IEEE1394b は 9 ピン.
IEEE1394a が 400Mbps,IEEE1394b が 800Mbps.
ディジーチェーン繋ぎ・ツリー繋ぎによって最大 63 台まで接続可能.

6,ネットワーク HDD


ネットワーク内に専用の HDD を置き,フォルダ共有・FTP といった接続方法
(ソフトウェア的)で使用する.
複数の PC から使用することができる.
1Gbps の LAN を使用することで,U-ATA133 程度の速度になる.



PCI 拡張について


情報実験機の PCI は 32bit/33MHz,5V の規格なので 133MB/s までの速度しか
出ない.
よって,SATA・SCSI を取り付けても 133MB/s が限界.
かつ,他に低速のボードを挿しているとそれに引かれて低速でしか作動しない.
【参照 : http://www.fmworld.net/biz/primergy/comment/vol1/






<<その他参照>>



マザーボード関連
ASUS P5P800 (情報実験機)
http://www.asus.co.jp/products4.aspx?modelmenu=1&model=166&l1=3&l2=11&l3=26
e-words 通信速度
http://e-words.jp/p/r-speed.html

PC に関する全体的な解説
コンピューターのイロハ
http://www.geocities.jp/mickey_son/top.html
初心者のためのPC用語講座
http://www2.olisys55.com/index.html

ハードディスク増設・PC 組み立て に関して
@IT : PCメンテナンス&リペア・ガイド 第8回 増設前に知っておきたいハードディスクの基礎
http://www.atmarkit.co.jp/fsys/pcmainterepair/008hddbasic/hdd_basic01.html
IDE(パラレルATA)接続のハードディスクドライブの取り付け方
http://buffalo.melcoinc.co.jp/qa/hd/make/hd-02.html
ハードディスクの増設と引越し
http://nobumasa-web.hp.infoseek.co.jp/hdd/add_move.html
PCFREE.jp
http://www.pcfree.jp/index.html
もっと楽しくパソコンライフ♪ピーシースクエア
http://www.pc-square.com/
ハードディスク講座 規格 (PC square)
http://www.pc-square.com/hdd/01_kikaku.htm

RAID に関して
用語解説 RAID : 富士通
http://storage-system.fujitsu.com/jp/term/raid/

IDE について
オンライン・コンピューター用語辞書 IDE/EIDE
http://www2.nsknet.or.jp/~azuma/i/i0009.htm
IDE ディスク容量の壁について
http://www.tadachi-net.com/pc_info/ide.html

SCSI に関して

SATA に関して
最新 Serial ATAII HDD ベンチマーク
http://www.crast.net/detail/sata_hd_bench.php

PCI に関して
拡張バス,PCI規格のスロットとカード : 富士通
http://www.fmworld.net/biz/primergy/comment/vol1/

IEEE1394b に関して
IEEE1394って何? - サンワサプライ株式会社
http://www.sanwa.co.jp/product/cable/howto/ieee1394.html
BUFFALO ピックアップ IEEE1394b 互換性
http://buffalo.melcoinc.co.jp/pronow/ieee1394b/compatible.html

作成 : 2005/11/17 大石 尊久