= 情報実験 3n+1, 3n+2, パスワードクラック実行手順

* 2005/10/16 (森川 靖大) 誤植を修正
* 2005/10/14 (森川 靖大) 北守氏の資料を元に作成

== はじめに

 * 本文書について
 
   この文書は情報実験 (北大理学部 学部生向け講義「物理実験I」)
   にて, 情報実験機 3n+1, 3n+2 の受講生のアカウントに対し
   パスワードクラックを試みる際の手順を記すものである.
   その目的は, 受講生がレクチャーを正しく理解し, クラックされにくい
   パスワードを設定しているかどうか調査するためである.

 * 注意

   情報実験機にパスワードクラックを行う際は, その情報実験機の root
   (おそらくはそのテーブルの VTA ) にクラックを行う旨を必ず事前に
   伝え, 許可をとること. 

   たとえ情報実験の TA であっても, 無断で情報実験機にパスワードクラックを
   行うことは問題なので注意されたい. 


== パスワードクラックの概要

 * パスワードクラック対象ホスト

   joho 3n+1, joho 3n+2

 * パスワードクラック実行マシン

   各ホスト内

== 準備

 * 辞書ファイルの準備

   パスワードクラックに使うための辞書ファイルを用意する.
   ここでは昨年度の情報実験で受講者を対象にパスワードクラックを
   行った際に用いた辞書ファイルを用いる予定である.
   (Web からはアクセスできません).

   * ((<URL:./john.dic.tgz>))

== 実行手順

 * 辞書ファイルを展開して各ホストへコピー

     $ tar xvfz john.dic.tgz
     $ scp john.dic joho**:~/

 * /etc/shadow, /etc/passwd ファイルの取得

   情報実験機にログイン後 /etc/shadow, /etc/passwd ファイルをコピーする.
   パスワードクラックを実行するマシンにコピーしたファイルを移す.

     $ ssh joho**
     $ sudo -s
     # cp /etc/shadow .
     # cp /etc/passwd .

   パスワードクラックを実行するマシンにおいて, John the Ripper
   というソフトウェアをインストールする.

     # apt-get install john

 * データファイルの作成

   パスワードクラックに使うデータファイルを作成する. 
   このデータファイルは shadow および passwd を結合したものである. 
   データファイルを作成するためには

     # unshadow passwd shadow > passwdfile

   を実行する. passwdfile がデータファイル名となる. 

 * パスワードクラック実行

   以下のコマンドでパスワードクラックが始まる. 

     # john -wordfile:john.dic -format:MD5 passwdfile

   format オプションのデフォルトは DES だが, 今年度の
   情報実験機の shadow は MD5 で暗号化されているため, MD5 フォーマット
   で解析する.

   もしもヒットするパスワードが見つかった場合には, 以下のように
   パスワード (以下では "giko", "monar") とそのユーザ名
   (以下では "morikawa", "kk") が出力される.

      Loaded 11 passwords with 11 different salts (FreeBSD MD5 [32/32])
      giko             (morikawa)
      monar            (kk)

   また, この結果は john.pot というファイルに書き込まれるため,
   解析後に以下のコマンドを入力することで, 整形された結果が出力
   される. (一度 john.pot に出力された内容は, 上記の解析コマンドでは
   表示されなくなる).

     # john -show passwdfile

     morikawa:giko:1005:1005:Morikawa Yasuhiro,,,:/home/morikawa:/bin/bash
     kk:monar:1007:1007:KOMATSU Kengo,,,:/home/kk:/bin/bash

   時間は大体 1 ホストで 30 〜 40 分かかった.
   (2005 年度情報実験機 3n+1, 3n+2 の CPU は Intel Pentium 4 CPU 2.80GHz)
   

 * 後始末

   パスワードクラックが完了したら速やかにデータファイルを消去する. 
   /etc/passwd, /etc/shadow を結合したものであるこのファイルが
   別の場所に半永久的に存在することはクラックの温床となりかねず
   好ましいことではない. 

== 補助シェルスクリプト

((<URL:./john.sh>)) に上記作業をわずかに省力化するために
森川が作成した簡単なシェルスクリプトが置いてある.
(Web からはアクセスできません)
参考になれば幸いである.