Unix のコマンドも, やはり実体はファイルです.
これらは /bin, /usr/bin, /sbin などにあります.
コマンドを実行するには, そのコマンドのファイル名を入力し,
Enter キーを押します.
ほとんどのコマンドは, そのマニュアルを man コマンドで参照できます.
幾つかのコマンドは, オプションや引数を指定することができます.
オプションは大抵 '-' 記号で始めます.
[2.1.1] man
-
書式:
man [コマンド]
-
解説:
オンラインマニュアル表示コマンド.
ほとんどのコマンドは日本語マニュアルが付属しているので,
コマンドの使い方がわからない場合には, 引いてみると良いでしょう.
詳細は, man manを実行してみてください.
終了するときは"q"を押してください.
-
例:
ls コマンドのマニュアル表示: man ls
host を含む man ファイルの表示: man -k host
[2.1.2] ls
-
書式:
ls [オプション] [ディレクトリ]
ls [オプション] [ファイル]
-
解説:
ファイルやディレクトリの一覧を表示します.
対象となるファイルやディレクトリを指定しない場合,
現在のディレクトリ(カレント・ディレクトリ)内の一覧が表示されます.
代表的なオプション
オプション |
効果 |
-a |
ファイル名が "." で始まる隠しファイルも表示 |
-c |
更新時刻順に並べて表示 |
-d |
ディレクトリの属性表示 |
-F |
ディレクトリには/を, 実行可能なファイルには * 又は @ を付加表示 |
-l |
パーミッションや持ち主などの詳細属性(ファイルモード)も表示 |
-r |
逆順に並べて表示 |
-R |
サブディレクトリ以下の内容も表示 |
-s |
ファイルの大きさを表示 |
--color |
色つきで一覧を表示 |
-
例:
ホームディレクトリ内の全ファイル&ディレクトリを詳細情報と共に表示:
ls -la ~/
[2.1.3] cat
-
書式:
cat [ファイル]
-
解説:
ファイルの中身を標準出力へ表示します.
ファイルの閲覧は勿論のこと,
他にも色々と利用可能なコマンドです.
-
例:
au(Sun Audio format)ファイルの再生: cat sound.au > /dev/audio
[2.1.4] cd
-
書式:
cd [ディレクトリ]
-
解説:
現在のディレクトリ(カレントディレクトリ)を,
指定されたディレクトリに変更します.
対象となるディレクトリを指定しない場合,
ホームディレクトリが指定されたものと見なされます.
-
例:
ホームディレクトリへ移動する: cd
[2.1.5] mkdir
-
書式:
mkdir [ディレクトリ]
-
解説:
指定された名前のディレクトリを作成します.
-
例:
sample という名前のディレクトリを作成: mkdir sample
[2.1.6] rm
-
書式:
rm [オプション] [ファイル(ディレクトリ)]
-
解説:
ファイル(ディレクトリも含む)を削除します.
このコマンドで削除されたものはほとんど元に戻せないため、
慎重に利用して下さい. (特に root )
代表的なオプション
オプション |
効果 |
-i |
削除するかどうか確認してくる. |
-f |
読み取り専用ファイルでも削除. また, i オプションを無効にします. |
-r |
中にあるファイルごと, 指定されたディレクトリを削除する. |
-
例:
sample という名前のファイルを削除: rm sample
ディレクトリ /home をまるごと消去(危険): rm -rf /home
[2.1.7] rmdir
-
書式:
rmdir [ディレクトリ]
-
解説:
指定されたディレクトリを削除します.
ただし, 削除しようとするディレクトリは, 空でなければなりません.
中身ごとディレクトリを削除するには rm コマンドを使います.
-
例:
空のディレクトリ sample を削除: rmdir sample
[2.1.8] less
-
書式:
less [ファイル]
-
解説:
指定されたファイルを表示します.
cat よりも多くの機能を備えています.
キーバインド
キー |
説明 |
数字 |
指定行に移動 |
f, SPACE, ^V, ^F |
1画面前進 |
b, ^B, ESC-v |
1画面後退 |
f, SPACE, ^V, ^F |
1画面前進 |
RETURN, e, j, ^N, ^E, ^J |
1行前進 |
y, k, ^Y, ^P, ^K |
1行後退 |
d, ^D |
1/2画面前進 |
u, ^U |
1/2画面後退 |
r, ^R, ^L |
画面を再表示 |
R |
ファイルを読み直して再表示 |
g, <, ESC-< |
先頭行に移動 |
G, >, ESC-> |
最終行に移動 |
/[!*@]文字列 |
文字列を前方検索(正規表現も可能) |
/!文字列 |
文字列を含まない行を検索 |
/*文字列 |
コマンドラインで指定した全てのファイルを検索 |
/@文字列 |
ファイルの先頭から検索 |
?[!*@]文字列 |
文字列を後方検索. /と同じ機能を持つ |
n |
次検索 |
N |
nとは逆方向に次検索 |
ESC-u |
検索にマッチした部分の反転表示を解除 |
v |
エディタを起動して現在表示しているファイル編集(環境変数 EDITOR) |
=, ^G, :f |
現在位置の行数, バイト数, パーセンテージを表示 |
h |
簡易ヘルプを表示 |
V |
バージョンを表示 |
q, :q, :Q, ZZ |
lessを終了 |
!(リターン) |
シェルを起動(環境変数SHELL) |
!コマンド |
コマンドを実行 |
!! |
直前の「!コマンド」を再実行 |
[2.1.9] passwd
-
書式:
passwd [アカウント]
-
解説:
指定されたアカウントのパスワードを変更します.
何も指定しないと自分のアカウントが指定されたとみなされます.
通常, 自分以外のアカウントのパスワードを変更できるのは root のみです.
[2.1.10] pwd
-
書式:
pwd
-
解説:
カレント・ディレクトリを表示します. echo $cwd と同義です.
[2.1.11] adduser
-
書式:
adduser [アカウント名]
-
解説:
新規ユーザーを追加します(root のみ可能).
[2.1.12] chmod
-
書式:
chmod [ファイル]
chmod [ディレクトリ]
-
解説:
指定されたファイルもしくはディレクトリのモードを変更します。
モードは属性あるいはパーミッションとも表現されます。
詳しくは次回の講義で.
[2.1.13] chown
-
書式:
chown [アカウント名] [ファイル]
chown [アカウント名].[グループ名] [ファイル]
chown .[グループ名] [ファイル]
-
解説:
指定されたファイルもしくはディレクトリの所有者や所有グループを変更します。
グループ名を指定する場合は、直前にピリオド(.)を付けるのを忘れずに。
詳しくはパーミッションのページで。
これらのコマンドはUnix (Linux) で使えるコマンドの中でも基本的なものです.
そして, 他にもコマンドはたくさんあります.
次のページでは, これらのうちいくつかのコマンドを使って,
ファイル・ディレクトリの作成, 削除, 移動などをして,
ディレクトリ構造を体感しましょう.
>> 次ページへ