計算機ネットワーク
倉本 圭
北海道大学理学研究科
地球惑星科学専攻
あらすじ
- nasa.govの成功と脅威
- ネットワークの爆発的普及
- 研究の組織化
- 地球流体電脳倶楽部
- 教育・啓蒙
- SOI
- 何が問題か
- やれることから解決を:epnetfan, 情報実験
話し手のレベル
- 知ってますか?
DNS
- 発音できますか?
SCSI
nasa.gov
脅威
- 「研究」できてしまう
- ダウンロードと説明書解読・コンパイルは研究?
- 実は末端労働者,成果はUSAへ
計算機ネットワークとは?
- イメージの転換
- 遠隔操作の道具→巨大分散データベース,双方向コミュニケーションツール
- データ:狭義の数値データ→
マルチメディアデータ (文字,音声,映像,etc) & 各種処理ソフトウェア
ネットワークの爆発
- ネットワーク人口の伸び:年50〜100%
資料(郵政省通信白書平成11年度版より)
- インフラの拡充と普及
- プロバイダ産業
- 2001年全小中高校にネットワーク導入
- 郵政省ギガビットLAN
- IPアドレス64ビット化
- 使途の多様化
- 商取引 (ex. amazon.com)
- 家電の情報化 (ex. 携帯,プレステ2)
- etc
研究の組織化
日本の弱点
- 縦割り体制:柔軟な研究組織化困難
- 機関と人の分散:人材育成に支障
ネットワーク利用モデルケース
地球流体力学電脳倶楽部
- http://www.gfd-dennou.org/
- チーム:林 祥介 (北大) とその仲間
- スタート:約10年前 研究資源 ftp として
- サーバー:北大地環,東大数理,京大,九大
- 内容
- 学習用テキスト
- 数値シミュレーションプログラム群
- 研究支援ソフトウェア群
- マルチメディア教育資源
- 特徴
- 内容はユーザーが開発 作る人=使う人
- 日本語ドキュメントを完備した上で公開
- 独自ドメイン名
- メリット
- 各地に分散した研究者の組織化(バーチャル研究室)
- 初心者への道標
- 近接分野との相互交流
- 既成組織からの独立:軽いフットワーク
教育・啓蒙
逆風
SOI
何が問題か
- 進歩に組織,行政が追いついていない
- ネット管理コストへの理解が低い
- 新築校舎にネットワークが来ない
- etc
- ユーザー教育の薄さ
- ネチケット
- セキュリティ
- 研究ツールとしての認識度低い
北大地惑専攻の挑戦
- epnetfan:
学生,院生有志による専攻ネットワーク支援ボランティア活動.2年前スタート.
- 情報実験:
学部2年生後期カリキュラム
epnetfan
情報実験
- 今年10月からスタート
- 資金:総長裁量経費 1000万円
- ねらい:必要最低限知識の習得
- 計算機のしくみ
- 情報経路制御の方法
- 各種ネットワークサービスの理解
- 情報集積と加工の技術
- 内容:「環境を自力で作る」
- PC分解と組み立て
- OSのインストール
- ネットワークサーバー構築
まとめ
- 計算機ネットワーク:爆発的普及.概念進化.
- 研究教育の戦略的インフラになりうる
- 研究組織化 (ex. 地球流体電脳倶楽部)
- 教育・啓蒙 (ex. SOI)
- etc
- よりよい使い途はこれからの各人の課題
- やれることから実践 (ex. epnetfan, 情報実験)
参考文献
- 村井純, インターネット2, 岩波新書, 1999
履歴:2000.3.12 倉本 圭作成
このレジュメは2000.3.5〜6に行われた「プラネットワークショック2000」の
講演に用いたものを, HTML形式に書きかえたものである.オリジナルはパワー
ポイントを用いて作成したが, HTML 化機能を用いた場合, 一部ブラウザで閲覧
できなかったため, 手書きで書きかえを行った.