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島弧深部の岩石が露出する日高山脈:
マグマの源を見る

『岩石標本』展示担当:新井田清信



幌満かんらん岩


日高山脈の南西端(アポイ岳や幌満川流域)には,層状構造のみごとなかんらん岩が露出しています.上部マントルから持ち上げられた岩石で,「幌満かんらん岩」の名前で世界的によく知られています.

写真は,アポイ岳西方尾根に露出するかんらん岩と層状はんれい岩の露頭です.背景にアポイ岳山頂を眺みます.



北海道大学総合博物館展示標本
岩石名:ハルツバージャイト(harzburgite
標本番号:H0002
地質:日高変成帯主帯 幌満かんらん岩体
採取地点:様似町幌満川本流沿い
主要鉱物:かんらん石(オリーブ色)・斜方輝石(褐色)・単斜輝石(緑色)・スピネル(黒色)

上部マントルかんらん岩は,玄武岩質マグマの起源物質(マグマ源の岩石)です.ハルツバージャイトは,一般的なかんらん岩に比べて輝石に乏しく,玄武岩質マグマ成分にいちじるしく涸渇した「溶け残りかんらん岩」の代表的な岩石です.


上部マントルの「マグマチャネル」

幌満かんらん岩の岩体内部には,厚さ約1 cmから数10 m 規模の多数のマグマチャネルが観察されます.

上部マントルかんらん岩が部分融解してつくられた玄武岩質マグマは,濃集・移動して,上部マントルの中を地表に向かって上昇します.そのマグマから,かんらん石やスピネルなどの結晶が晶出し,「通路」に取り残されてチャネルをつくります.かんらん岩体の内部で観察されるマグマチャネルは,そのような「マグマ通路」の岩石サンプルなのです.

かんらん石とスピネルからなるダナイトは,チャネルの代表的岩石の1つです.上部マントル内につくられる最大級の「マグマ通路」の岩石サンプルであると考えられます.

  北海道大学総合博物館展示標本
  岩石名:ダナイト(dunite)
  標本番号:H0001
  地質:日高変成帯主帯 幌満かんらん岩体
  採取地点:様似町幌満川古川の沢
  主要鉱物:かんらん石(オリーブ色)・スピネル(黒色)

電子メール:kiyo@ep.sci.hokudai.ac.jp

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