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島弧深部の岩石が露出する日高山脈:
マグマの源を見る

『岩石標本』展示担当:新井田清信



「日高島弧」のマグマ溜まり


 日高変成帯には,多数のはんれい岩や花こう岩が知られています.これらは,「日高島弧」の地殻内部につくられた大きなマグマ溜まりでつくられた深成岩です.

 はんれい岩は,上部マントルかんらん岩の部分融解によって生じた玄武岩質マグマが上昇・迸入して地殻内部にマグマ溜まりをつくり,冷却とともに進行した結晶作用によってできた深成岩です.その1つ,山脈北部のペンケヌーシ川流域に露出するはんれい岩は,マグマの化学組成の特徴が中央海嶺玄武岩(MORB)によく似ており,「島弧に関与した中央海嶺マグマ系の形成モデル」が検討されています.


北海道大学総合博物館展示標本
岩石名:アノーソサイト質はんれい岩(anorthositic gabbro
標本番号:H0014
地質区分:日高変成帯主帯 パンケヌシ岩体
採取地点:日高町パンケヌーシ川五の沢出合下
主要鉱物:斜長石(灰白色)・かんらん石(黒緑色)・単斜輝石(黒褐色)


はんれい岩の偏光顕微鏡画像

 アノーソサイト質はんれい岩(展示標本)はマグマ溜まりでできた代表的なはんれい岩の1つで,主に斜長石からなり,少量のかんらん石・単斜輝石を含みます.この岩石を薄片にして偏光顕微鏡で観察すると,鉱物の種類や組織がよくわかります.大型の斜長石の他形結晶が集合し,その粒間をかんらん石と単斜輝石が充填しています.

 このような岩石組織はキュムレイト(集積岩)組織と呼ばれ,マグマ溜まりの中でまず斜長石が晶出して集積し,そのあとで粒間のマグマからかんらん石や単斜輝石が晶出してできたことがわかります.

電子メール:kiyo@ep.sci.hokudai.ac.jp

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