様似町役場前「かんらん岩」広場のご紹介

様似の「かんらん岩」広場には...
かんらん岩の大きな研磨標本が展示されています.

「かんらん岩」野外博物館
 Outdoor Museum for Peridotites


(1)様似:アポイ岳のかんらん岩(解説)

アポイの鼓動〜かんらん岩,見る,触れる,感じる広場〜

「地球は生きている」と,感じるだろうか?

北米プレートとユーラシアプレート.
2つの巨大プレートの境界で,日高山脈ができた.約1,300万年前のことだ.
そのとき,東側の北米プレートが西側に乗り上げるように,山脈は上昇した.

地球が大規模に変動するとき,
大地の岩石は,変動がもっとも激しいところでつくられ,そして移動する.

日高山脈の岩石は,深成岩も,変成岩も,すべてが大規模な地球変動とともにできた.
この変動が,「日高造山運動」と呼ばれた地球変動で,山脈の岩石のすべてをつくった.

アポイの山並みをつくるかんらん岩.もともとは地下深く,高温の上部マントルにあった.
かんらん岩は,玄武岩質マグマの起源物質(マグマ源の岩石)である.
これが,およそ数10 kmの地下深部,マグマを発生するほどに高温の上部マントルから,
はるばる地表まで押し上げられた.
日高山脈ができたときのことだ.

およそ数1,000万年前から,山脈ができるまでの時代.
そのころ日高一帯は,地下増温率(温度勾配)が34℃/km以上で,
地熱地帯のように高温だったといわれている.
日高山脈は,地殻も,上部マントルも,とても活発な島弧だったのである.

上部マントルでは,かんらん岩が部分融解して,玄武岩質マグマが発生した.
そのマグマは上昇移動して,地殻の中に大きなマグマ溜まりをつくった.
ここで,はんれい岩ができた.
地殻の深部でも,変成岩が大規模に融解して,トーナル岩の珪長質マグマを生じた.
花こう岩のマグマも活動した.
日高山脈の地下深部は,高温の「マグマのふるさと」だったのである.

かぎりなく堂々として,美しい.アポイの山並み.
大地の変動とともに,かんらん岩の山ができた.

オリーブ色のかんらん石も,美しい輝石も,スピネルも,
どの鉱物も,もともとは地下深く,そこはとても高温で,
上部マントル呼ばれる「玄武岩質マグマのふるさと」にあったのだ.

様似.アポイの自然.アポイの鼓動が聞えるだろうか?
広場のかんらん岩を,見て,触れて,感じてみよう.
地球は生きているよ.

1999.8.12 
新井田 清信(北大・理・地球惑星物質科学)

電子メール:kiyo@ep.sci.hokudai.ac.jp

「かんらん岩広場」トップページに戻る

Kiyo's ホームページに戻る

地球惑星科学ホームページへ

様似町ホームページ へ