X Window(と)の戦い

 インストールが完了した後は、各種設定を行った。
 まず、rootでログインする。はじめは当然パスワードがないのでrootのパスワードを登録する。つぎにadduserでユーザ登録をした。

Can you read Japanese chars on this term? [y/N]

ときかれ y と答えるとなぜか文字化けする。漢字を表示するためのkonというコマンドがあるが、PC-98ではマシン自体に漢字ROMを持っているのでkonを使う必要はないはず。(あとで『Linuxインストールキット第2版』を買って読んでみると、使ってはいけないと書いてあったのだが。なぜ?)仕方がないのでadduserは英語で行うことにした。幸いきかれる内容はごく簡単だし、はじめのユーザ名(ログイン名)と最後のpassword以外はEnterキーを押すだけでよいので問題はない。

 そして次にやることといったらやっぱりX Windowの設定でしょう。しかし!ここが大苦難の第二波だった。
 X Windowの設定には、XF86Setupコマンドを使うとあったので早速それを試してみたところ、画面には”VGA16というXサーバが必要だ”といった主旨の英文が現れた。おや!?インストールするときは、そんな名前のXサーバあったかな?それでrootディレクトリの中をあちこち覗いて回ることになった。・・・しばらくの間引っ掻き回しているとそのうちXF86Setupというもの以外にXF98Setupというのを見つけた。「おっ、これはもしかして、、、。」と思ってXF98Setupと入力し、リターン。すると、灰色の地にXという画面が現れ、次に”立ち上げています。しばらくおまちください。”と現れたではないかっ!さらにGUIな設定画面が出てきて、これだけで僕はやったやったと歓喜していた。本当に恐ろしいのはその後だということも知らずに、、、。(笑)
 XF98Setupではうれしいことにこの時点でマウスが動く。AT互換機では設定しなくてはいけないようだ。カードの設定をする。上の「カード」というところをクリックするとグラフィックカードの一覧が表示された。、、、そう、この時点で僕はグラフィックカードなどについては何の知識もなく、ちんぷんかんぷん。というわけで、ここをすっ飛ばし(!!)ディスプレイの設定もいじくらず、解像度はとりあえず640×480の256色を選び設定終了してしまう。するとこともあろうに”おめでとうございます””Xサーバの設定は完了しました。”とでて設定が終わってしまった!?なんだか訳が分からないがとりあえず完了したんだからと、startxを実行してみる。何事もなくすべてがうまくいってしまう、、、わけもなく”Fatal server error.”と出てX windowは動かないのであった。
 動かないのは当然「グラフィクカードって何?」とかいっているからだというのは誰の目にも明らか。というわけで「グラフィックカードって何?」を解決すべく、またまた本屋やインターネットを活用する。そうすると、どうやらWindowsで「コントロールパネル」→「システム」→「デバイスマネージャ」で自分のマシンについていろいろわかるらしいことがわかった。さっそくそれを試してみると

PC-9821 Xe10,Xa7e,Xb10,...(省略)...V12/13/16/20,Xc13,(Cirrus Logic)

と長々と書かれている。なんじゃこりゃ!?そういえばXF98Setupのグラフィックカードの一覧にPC-9821V13、V16とかいろいろあった。僕のマシンはV20だからV20を選べばいいのかな?(僕っていつもこうやって適当なのね。)ということで試してみると、前回でた”おめでとうございます。”が出ずに

Can't connect:error=111

 が、ずらずらと出てきた。どうやらこの設定は正しくないらしい。

 学校の図書館で見つけた『図解でわかるPC-UNIX』という本を読んでみるとハードウェアについてもいろいろ書かれていた。グラフィックカードの一覧から選択してうまくいかないのであれば「詳細設定」で一つ一つ自分で設定するしかない。そのためにはチップセットの名称を調べる必要がある。(というか、これはインストール前に調べておかなくてはならんもんなのだが。。)Windowsのデバイスマネージャを見ても結局僕にはよく分からなかったので何とかほかに手はないかと調べてみると、SuperProbeというコマンドで、うまくいけばそれらについて知ることができるらしい。しかし、このコマンドは失敗することもあるらしく、時にはハングアップしたりするようだ。ダメでもともと。試してみると、、、Could not identify any video.と表示されまたしても失敗。とことん苦労させてくれる僕のPC-98なのでした。ひろさんという方のページでいろいろ助言をいただいたり、あれを試しこれを試ししたがどうもうまくいかず、そして、例の友人H.Mに電話をかけてみた。すると彼は僕のPC-98に乗っているチップセットの名称を調べて教えてくれた。Crirrs Logic GD 5440。そして気がついた。

 なにが問題だったのか(僕自身?)。このLinuxをインストールしたときのXサーバの選択でValuestarと書いてあるものを選んだのが苦難の始まりだった。(このサーバはXF98_TGUIというもの)  XF98Setupのカード設定の詳細設定でチップセットの項目を見てみるとXF98_TGUIでは対応していないことがわかったのだ。それで他のサーバを見てみるとXF98_NEVNECでは対応していることがわかった。そしてそれをインストールしてもう一度セットアップしたところ、めでたく成功したというわけ。やっとXが動いたー。Xの画面が出たときは本当にうれしくて感無量だった。ほんとうれしかった(T_T)。それにしても無知って恐い、、、。
執筆 10/30//99