本実験では遠隔授業にふさわしい授業システム構築, 教材の開発に重点 が置かれた. 授業システムは, 映像と音声を個別に入力し処理を行うこ とでそれぞれの調整を可能にした. 特に音声については, 講師の声を確 実に集音出来るようワイヤレスマイクを導入し, さらに双方向の音声伝 送環境で発生するエコーを抑制する対策を講じることで, スムースにコ ミュニケーションできる対話的な環境実現を試みた. 又, 講師の視線を 考慮した位置にカメラを設置することで, 生徒に臨場感のある映像を伝 送できるよう工夫した. 教材の開発では, 遠隔授業の様々な制約を踏ま えつつ生徒の知的好奇心を刺激し, 自然科学に対する興味を喚起させる ような授業内容, 資料を準備した.

遠隔授業を通じて得られた経験から, システム運用及び授業の準備に必 要な方法, 手順の整備を進めた.これらは同様な試みにおいて有用な手引 となることが期待される.