Gutenberg-Richterの関係は地震活動の統計的性質をあらわしており、このエントロピーを求める研究が行われている。例えば、Main
and Al-Kindy(2002)では、Harvard
CMTのデータを使いエネルギーと頻度の分布からエントロピーを求めた。その結果、エネルギーの対数の平均とエントロピーには、相関関係があることを示している。
地震活動の力学モデルに、スティック-スリップを使ったものがある。例えば、Brace and
Byerlee(1966)では、活断層のすべりによる地震活動がスティック-スリップであると考え、摩擦力に静止摩擦と動摩擦を使ったバネ-ブロック モデルを導入した。これを実際にシミュレートしたのがBurridge and
Knopoff(1967)であり、グーテンベルグ・リヒターの関係を再現することに成功した。Maeda and
Yokomori(1999)やYokomori(1997)では、摩擦力に1次の項と3次の項を使ったレイリーの振動子を連結させることで、地震活動 を再現した。
この研究では、実際の気象庁のデータからマグニチュードと頻度の分布を作り、近似的に確率分布を求め、エントロピーを求めた。そして、エントロピーが マグニチュードの平均と相関関係にあることを確認した。また、Terano(2005)のモデルから得られた地震活動の再現データを使い、エントロピーを求めて気象庁のデータと比較した。
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