大正七年桜星会歌 流るる光途 1. 流るヽ光途重ね來て 星霜此處に四十年 北斗の光眸さす所 櫻かざして先人の 樹立し歴史を偲ぶ時 誰か血汐の湧かざらむ 2. 咽ぶ悲憤の誓より 早や七年の春うつり 人は変遷れど三百の 健兒不滅の意氣を持す いでや謳はん北州の 精力に滿ちし凱歌を 3. 陽春の光に覆翼まれ 嫩草萠ゆる北の郷 手稲の麓健兒等が 燃ゆる想を合唱せば 牧場の彼方際涯しらず 高鳴たてヽ響きゆく 4. 豊平川の夏の夜や 玉兎の踊る波の上 自治の流の悠久を 語る川邊に佇めば ありし往昔を追憶へとや 古塔に響く時の音 5. こヽ石狩の大沃野 静けき秋のめぐり來て 天紺青の色ふかく 地は豊穣なる平和境 人は有情の美しき 自然の愛に狎るヽ哉 6. 萬里茫々雪の海 白龍怒り風叫ぶ 吹雪にさめし暁や 迷の雲をおしひらき 常世の幸を惠むなる おヽ紅の朝日影 7. 北辰冴ゆる夕まぐれ ボーイズ ビイ アンビシァスの 崇高き教を胸に秘め エルムの梢とことばの 自由の調聴くところ 若き生命を誇らばや