大正末期 柔道部東征歌 河合九州夫君 作歌 小峰三千男君 作曲 1. 蓬風吼ゆる北海の 岸辺に狂う波の花 雲煙遠く流れ入る 石狩河岸に根城して 桜星の旗飜し 立てる吾部ぞ力あり 2. 桜花咲く日の国の 猛き心の益荒男が をのこさびする高潮に 不断の意力養ひて 究め盡せし先人の 教へぞ励め柔の道 3. 号笛一声高鳴りて 集ひ来りし貔貅軍 熱砂吹き捲く夏の日も 鈴の音氷る冬の夜も 瘡痍に悩みし肉よ 思へばこゝに幾年ぞ 4. 今東海に雲湧きて 雷鼓轟き風すさぶ 覇者の偉業を果さんと 蛟龍一度鋒とれば あはれ声なき影もなき 彼の狂乱の牛羊等 5. 輪影高く空澄みて 朔風膚を裂く夕 楡樹の下に帳して 祝ふ首途の若武者よ 交す栄ある酒盃に 月下の誓なさんかな