昭和五年寮歌 嗚呼青春の 児山信蔵君 作歌 有村徹君 作曲 (1,3,5 了あり) 1. 嗚呼青春の夢高く 理想のあとに憧憬れて 楡の花散る学都にぞ 啓示を求む若人は 綺花を流して逝く水に 十九の春を嘆くなり 2. 牧場の緑草踏みしだき 栗毛の駒に鞍置きて うち振る鞭の音も高く 希望の大空を朗らかに 寮歌を歌ひつ眺むれば 白雲流れゆく手稲山静か 3. 学堂の古鐘の沈みゆき 楡陵の蒼空に銀月冴えて 羊の群の片影もなし 沈黙の原始林に散りしける 落葉踏みゆく雄き子は 三年の絢夢に涙する 4. 疎林のほとり夕陽は落ちて 凩さへも絶えし真夜に 涯なく白き石狩の 銀雪に連なる曠野の静寂 震はせ乍ら橇唄は 神秘の闇を縫ひてゆく 5. 北斗は遠く七星清し 「妄執」の現世を見下して 真実一路の迪恵ぬ 「意気」と「血潮」に生くる子の 瞳に燃ゆる紅焰は 永遠なる生命の証なり