昭和四十九年寮歌 北の都は 大森秀治君 作歌・作曲 (1,2,6,7 了あり) 1. 北の都は開発かれて 喪失われゆく大自然 寮の姿も変われども 恵迪の名は永遠に 2. 残雪溶けて東風吹かば 大地は黒々と輝けど 川流絶えて水は涸れ 湿原に咲く花影なし 3. 緑葉さわぐ楡の森 昔日の影すでになく 短き盛夏の夕陽を浴びて ただ寥々と佇立まう 4. 虚空逍遙う月の影 蒼白く映ゆ原始森の木々 秋風にうたれて舞う落葉 早雪までのこの眺望 5. 白雪烈風に舞い上がり 疎々たる杜を吹き抜けぬ 樹影に黒き鴉鳥 寂莫として声もなし 6. 警醒の鐘鳴らせども 迷夢の夜は未だ明けず 行方も知れぬ朔風に 心の痛みつのるかな 7. 北に旅してこの宿に 仮寝の夢を貪りて 過ぎし歳月早二年 懐かしさ満つこの団居