昭和六十年度寮歌
沈黙の杜に
角田勤君 作歌
佐々木徹也君 作曲
(1,2,3,4,5 了あり)

1.
沈黙の杜に春来告げる
芳香馨し辛夷の花よ
純白き残雪未だ消えやらず
永き寒冬偲ばるる哉
郷愁胸に充満つるとも
されど恵迪此処に在り

2.
水恋鳥の哀しき聲に
我故知らず涙流しぬ
短き夏と認識りはすれども
樹々色づきてはや盛夏逝きぬ
哀愁胸に充満つるとも
されど憧憬恵迪に在り

3.
紅雲流るる黄昏どきに
夕細道は幽か続きて
何望むなく彷徨ひゆける
この現身を悲哀しみにけり
愁心胸に充満つるとも
されど青春恵迪に在り

4.
雪舞ひ踊る白銀の世よ
天指す枝柯に樹氷咲く
数多群なす星座の中に
我に向いて天狼星光る
寂寥胸に充満つるとも
されど経営恵迪に在り

5.
弛むことなく唯時は逝き
生きとし生けるものは去りゆく
其は人の世の眞理なれども
限れる生を燃やし尽さむ
追憶胸に充満つるとも
されど恵迪永遠に在れ