大正五年南寮々歌 穹蒼高く 長崎次郎君 作歌 黒住須賀夫君 作曲 (1,2,3 了あり) 1. 穹蒼高く夜は深く 沈黙の森に聳えたつ 桂の梢指すところ 北斗の冴に君見ずや 「吾が若人よ汝が野心 われにかも似て崇くあれ」 2. 荒ぶ吹雪のもだすとき 六片の花咲くところ 皎たる天地塵絶えて 塞つる力を君よ知れ 「吾が若人よ北の曠野に 身を練り魂を磨かずや」 3. 谷間の百合の香のゆらぎ 楡の若葉に陽はこぼる 春の息吹に渡り行く 時鐘の響に君よ聴け 「吾が若人よ石狩は 自由の郷土ぞ幸多き」 4. 百鳥歌ひ花は笑む 美しき国の自治の家に 十一の春今日来る 祝歌たかく君歌へ 「迪に恵ふ若人の 住家よ永に栄あれ」 5. 崇きのぞみを星に懸け 鐘に自由を学びつつ 真理を求むる一百の 健児が行手遠けれど 吾若き力強ければ 贏む秋は近からむ など贏ざる事あらん