大正五年北寮々歌 荒潮繞る 桜井芳次郎君 作歌 橋本吉郎君 作曲 (1,2,3,4,5,6,7 了あり) 1. 荒潮繞る北の郷 絢爛の時いと高く 看よ極光に照らされて 夢にまどろむ春の精 2. 嗚呼感激の経営を 矜る血潮に求め来て 十一の年の旦暮は 澄明の府霊清し 3. 夏の日悠然に石狩の 浩蕩の水煌めきて 流光高く際涯なき 自然の業を畏れずや 4. 夕暮呼ばふ閑古鳥 冥想ここに始めよと 遠鳴くなべも紅葉しつ 稜畳として唐錦 5. 北風胡沙に雪を捲き 荒れ狂ひたる戦場の跡 暮れ行く蛮霧に包まれて 白銀の都今静か 6. 清けき永久の霊泉の 至福の水を掬ぶ可く 黄金の甕守りつつ 調新しく唱はなん 7. 智慧の光に導かれ 熱の磅礴に生立ちて 潔き生活の道すがら 曲勇ましく唱はなむ