大正九年度寮歌 無窮の空に 戸田早苗君 作歌 藤田篤君 作曲 (1,2,7 了あり) 1. 無窮の空に黎明の 崇高き姿天翔り 新しき日は来れりと 万象の歓声ひびく哉 2. 自由の陽光かぐはしき 美花さく学園に集ふとき 青春の日にゆるされし 尊きたから失はじ 3. 強き響きの底深く みなぎる大地踏みしめて 虚偽の世を破らんと 燃えたちさかる我が力 4. 生くる喜悦讃へつつ 深紅の幻影狂ひては 陽炎ゆらぐ野に出でて 心のかぎり歌ひ舞ふ 5. 人のいのちの際涯なき 暗き疑惑を我胸に 夕楡影に佇めば 北斗は高く輝けり 6. 真理の宮殿の灯を 憧憬れ仰ぐ友どちが 語らひつきぬ感激に 吹雪叫ぶ夜の更けゆくを 7. 三年の夢は淡くとも 長き旅路のみちすがら 神秘の森に迷ひ入る 尚き生命と君知るや