シンポジウム


演題および原稿締切:
Web:7月3日(火)17:00
郵送:6月26日(火)必着

 下記13件のシンポジウムを開催します.9月9日〜11日の3日間(いずれも午前),各日4-5件ずつ行いますが,原則として一般公募はありません(今回は5件で一般公募があります).シンポジウムの講演者には,一般講演の一人1件の制約は及びませんので,別途一般講演を申し込むことは差し支えありません.なお一般公募の採択・不採択は,コンビーナによって決定されます.講演要旨原稿は,一般講演と同じ分量ですので,「講演要旨原稿の投稿について」を参照して原稿の作成をお願いします.やむを得ず郵送で講演要旨を送る場合は,一般講演の申込フォームをご利用下さい.「シンポジウム」と書き添えた上,必要事項を記入し,保証書・同意書とともに6月26日必着で行事委員会宛にお送り下さい.

 
課題名(各名称をクリックすると詳細がご覧になれます)
コンビーナ
共催
一般公募
1
海底地すべり 川村喜一郎(深田研)他 地すべり学会
2
海洋地殻・マントルの "その場研究" の進展と今後の展望:21世紀モホール計画の実現を目指して
新井田清信 (北海道大)他
3
地震探査から見た日本列島の地殻構造 佐藤比呂志(東京大)他 日本地震学会
Seismix 2006組織委員会 (協賛)
4
大規模カルデラ火山−構造・噴火−堆積プロセス・長期予測
及川輝樹(産総研)他
5
プレート収束境界における岩石の沈み込み・上昇テクトニクス: 造山帯(変成帯)形成過程研究の新展開 竹下 徹(北海道大)他
6
地質学の社会教育・普及へ研究者に求められるもの 里口保文(琵琶湖博物館)他
7
内陸地震の震源下限深度における岩石−流体相互作用:地質時代のブライトレイヤーから読み解く地殻内流体の挙動 寺林 優(香川大)他
8
最終間氷期の環境変動−日本列島陸域と周辺海域の比較と統合− 公文富士夫(信州大)他
9
遺跡形成における地質現象 松田順一郎(東大阪市鴻池新田会所管理事務所)他 北海道考古学会
低湿地遺跡研究会
10
地球温暖化は悪いのか? 丸山茂徳(東工大)他
11
沖積層研究の新展開−地質学と土質工学・地震防災との連携− 井内美郎(早稲田大)他 第四紀学会
12 地質環境の将来予測と地層処分:予測科学としての地質学 吉田英一(名古屋大)他
13 温室期の気候変動 西 弘嗣(北海道大)他

1) 海底地すべり (地すべり学会 共催)
川村喜一郎(深田研・kichiro@fgi.or.jp)・藤田勝代(深田研),目代邦康(産総研)

  日本は,地すべり災害を軽減させるべく,世界に先駆けて地すべり学会を発足させ,世界をリードする地すべり研究のメッカとなった.一方,海底にも日本周辺には多くの地すべり地形が見られ,これらの海底地すべりは,海底での複雑な堆積作用の要因となるばかりでなく,津波の発生要因となることが指摘されている.さらには,海底に構造物を建設する場合に問題となると言われている.それにも関わらず,そのプロセスやメカニズムに関してはよくわかっておらず,海底地すべりの抑止や予測に関する研究は進んでいない.国際惑星地球年(IYPE)日本委員会パンフレットにも津波災害がふれられており,全世界的に見て,海洋・陸上におけるGeohazard研究は注目されている.このシンポジウムでは,海底地すべり研究の現状を議論し,陸上地すべりで得られている知見からも海底のそれを検討する.陸上地すべり,海底地すべりに関するあらゆる発表を歓迎する
(一般公募あり)

2)海洋地殻・マントルの "その場研究" の進展と今後の展望:21世紀モホール計画の実現を目指して
新井田清信 (北海道大)・前田仁一郎 (北海道大学・jinmaeda@mail.sci.hokudai.ac.jp)・宮下純夫 (新潟大)・ 海野 進(静岡大)
阿部なつ江 (JAMSTEC)・荒井章司 (金沢大)

  日本のハードロック海洋底掘削の関心は,これまではどちらかというとIBMや日本海などといった日本周辺の島弧・背弧海盆系にあったように思われるが,近年,中央海嶺系の掘削にも多くの研究者が加わるようになった.また日本で建造された「ちきゅう」を用いた21世紀モホール計画が具体的に準備されるようになった今日,これまでに行われた中央海嶺系での掘削とそれに関連する成果をとりまとめて報告し,この分野の将来の検討課題や展望などを議論することは,大変意義のあることである.また,このシンポジウム開催が,21世紀モホール計画を支える我が国の研究体制作りに資することを期待する.


3)地震探査から見た日本列島の地殻構造 (日本地震学会・Seismix 2006組織委員会 協賛)
佐藤比呂志(東京大,satow@eri.u-tokyo.ac.jp・伊藤谷生(千葉大)・岩崎貴哉・小平秀一

  反射法地震探査による大陸地殻の詳細なイメージングは,大陸地殻の形成と進化の理解に重要な貢献を果たしてきた.日本列島の陸域においても,とくに兵庫県南部地震以降,大規模な地殻構造探査が実施されるようになり,地殻構造形成の成り立ちを理解する上で、重要な知見が得られつつある。本シンポジウムでは,これまで地震予知計画・科学研究費・大都市大震災軽減化特別プロジェクトなどで実施された,主として反射法地震探査による地殻構造探査の成果を紹介するとともに,地質学・岩石学的な観点から日本列島の地殻構造とその形成史について討論する.発表は招待講演とし、北海道中軸帯断面,東北日本断面,関東-近畿地域の測線群,西南日本断面,海域の沈み込み帯の構造断面についての最新成果が発表される.それぞれの断面について地質学あるいは岩石学を専門とする研究者の発表を配する.最新の地震探査断面の紹介と,多方面からの意見交換によって,日本列島の地殻構造形成史についての新たな問題を明らかにしたい.

4)大規模カルデラ火山 - 構造・噴火−堆積プロセス・長期予測
及川輝樹(産総研)・下司信夫(産総研)・古川竜太(産総研)・長橋良隆(福島大)・萬年一剛(神奈川県温地研)
三浦大助(電中研,dmiura@criepi.denken.or.jp)

  2005年度放送されたBBC「Supervolcano」や,小説「死都日本」におけるカルデラ噴火の生々しい描写は記憶に新しい.最近では,専門家による特集号が組まれるなど(Huppert and Sparks (eds), 2006; 月刊地球293; 320;322),カルデラ火山活動に対する人々の耳目は高まりつつある.このようなカルデラ火山は,2007年開催地の北海道に複数認められ,地域にとっては身近な存在といえる.そこで大会では,カルデラ火山の「構造・噴火?堆積プロセス・長期予 測」をシンポジウムテーマとしてとりあげる.現代社会が目撃したことがない 巨大噴火の実態について,地下から地表へ,給源から遠方へ, そして過去から 未来へと続く全容を理解するため,最新の地質学的成果を中心とした幅広い分野の講演を行う.

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5)プレート収束境界における岩石の沈み込み・上昇テクトニクス: 造山帯(変成帯)形成過程研究の新展開
竹下 徹(北海道大,torutake@mail.sci.hokudai.ac.jp)・板谷徹丸(岡山理大)・榎並正樹(名古屋大)・植田勇人(弘前大)

  プレートテクトニクスの登場によって,造山帯(変成帯)は地向斜ではなくプレート収束境界で形成されることが60年代に判明して以降,造山過程の研究は今日なおエキサイティングな研究であり続けている.今日,造山帯テクトニクスの研究は,変成岩岩石学,構造地質学および放射年代学の進歩と相まって,温度-圧力-変形-時間履歴の精密な解析に基づいてテクトニクスを推論するという実証科学に成長した.一方で,造山帯形成場であるプレート収束境界の実態について,我々は今日なおその本質を十分理解しているわけではない.最近,Beaumontほか(2004)は,ヒマラヤの変成岩を対象にプレート収束境界ではチャネル流れが生じ,チャネル流れを被った岩石が変成岩として地表に露出するという数値計算を示した.本シンポジウムでは,同論文で議論されているいくつかの重要な問題を取り上げ,それらと直接関連する実際の変成帯からの新知見を各研究者が紹介し,造山過程やプレート収束境界の実態について議論することを目的とする.議論される問題は,(1)チャネル流れの深部過程:チャネル流れに巻き込まれる上部マントルとエクロジャイトの形成・上昇,(2)変成岩の温度-圧力-変形-時間履歴の空間分布こそが造山帯テクトニクスの本質を語る,(3)変成岩の最終的上昇過程・機構を支配する上部地殻の断層形成とレオロジー,などである.(一般公募あり.3件程度)

6)地質学の社会教育・普及へ研究者に求められるもの
里口保文(琵琶湖博物館,satoguti@lbm.go.jp)・柴 正博(東海大自然史博)・川端清司(大阪市立自然史博)

  学校での授業数や一般への地質学の普及状況は,良い状態であるとは言い難い.これまでの普及・教育に関するシンポジウムでは,所属団体の活動例や学校教育に関する問題点を整理する事から今後の活動についても検討した.今回は各研究者が所属する団体を通して,また研究者個人でできることや,学校・社会に求められているものは何か?をいくつかの事例から議論したい.


7)内陸地震の震源下限深度における岩石−流体相互作用:地質時代のブライトレイヤーから読み解く地殻内流体の挙動
寺林 優(香川大,tera@eng.kagawa-u.ac.jp)・岡本和明(埼玉大学)・山本啓司(鹿児島大)

  地震の発生と沈み込んだスラブ由来の流体との関係が,地震学的や地球化学的な観測によって注目されている.1995年兵庫県南部地震の本震の震源直下には,地震波速度が低くポアソン比が高い異常領域が存在し,流体の貯留が推定されている.それ以外にも地殻深部における流体の挙動が,内陸地震の発生やテクトニクスに大きな影響を与えていると考えられ始めている.その流体の実体の解明における地質学の役割は大きく,地質時代の震源域,いわゆる地震の化石をフィールド科学と物質科学の両面から迫ることが求められている.本シンポジウムでは,スラブから放出された流体が,ウェッジマントルを経由して,中部地殻のブライトレイヤーで貯留され,地表に現れるまでを議論することを目的とする.
(一般公募あり.2件程度)

8)最終間氷期の環境変動−日本列島陸域と周辺海域の比較と統合−
公文富士夫(信州大)・山本正伸(北海道大)・長橋良隆(福島大)・青池 寛(JAMSTEC)

  IMAGEコア試料を代表とする海洋堆積物についての高分解能の研究が進み,日本列島周辺海域の堆積物に基づいた高精度,高分解能の古気候・古海洋資料が急速に集積されている.一方,湖沼堆積物に基づいた陸域の古気候解析も大きな進展を見せている,そして,両者をつなぐ指標テフラの確認もすすみ,陸域と海域を総合的につきあわせることが可能となっている.広義の最終間氷期(MIS 5)の時代を中心に,その前後の時代を含めながら,日本列島とその周辺海域における古環境情報を統合する場として,本シンポジウムを提案する.なお,学生会員向けの古気候変動に関する入門的な講演を挿入する予定である.(一般公募あり)

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9)遺跡形成における地質現象(北海道考古学会・低湿地遺跡研究会 共催)
松田順一郎(東大阪市鴻池新田会所管理事務所)・ 出穂雅実(札幌市埋蔵文化財センター・北海道考古学会)
井上智博((財)大阪府文化財センター・低湿地遺跡研究会)・趙 哲済((財)大阪市文化財協会)
別所秀高(東大阪市鴻池新田会所管理事務所)・小倉徹也((財)大阪市文化財協会)
渡辺正巳(文化財調査コンサルタント(株),info@cons-ar.co.jp)

  本シンポジウムでは,考古遺跡形成過程において生じ,かつ考古学的解釈に影響を与える地質現象の事例を検討する.考古学では,発掘調査によって得られた遺構・遺物を含む特定層準の情報から,過去の人間活動を復元する.しかし,発掘調査によって掘り出された遺構・遺物とそれをとりまく地層構成物質が,遺構・遺物が機能していた当時の状態を,完全に保持していないことは明らかである.ところが,人間活動が始まる以前から現在までに遺跡領域がこうむった自然営力と人為による変容が,考古学者,地質学者に十分に理解されているとは言い難い.「環境考古学」が一般的な研究分野となった今でも,このことは遺跡独特のタフォノミーという側面で課題として残る.具体的には,地域的あるいは局地的な堆積・侵食作用,マス・ムーブメントとそれらにともなう地形発達,土壌生成にともなう物質移動や生物擾乱,火山・地震活動や気候を要因とする遺跡構成物質の変形,人間活動による自然および人為堆積物の擾乱などを地質現象とみなす.これらの地質現象が,とくに遺構,遺物の分布と層序認定,過去の地表環境の復元とどうかかわるかを本シンポジウムでの話題の中心とする.


10)地球温暖化は悪いのか?
丸山茂徳(東工大,smaruyam@geo.titech.ac.jp)・鈴木和博(名古屋大)・酒井治孝(九州大)

  近年,地球温暖化が国際社会の大きな問題としてクローズアップされ,その原因が化石燃料による二酸化炭素とされている.この問題は,日本地質学会にとって,存在価値を主張する緊急かつ重大な課題でもあり,1)地球温暖化は人類にとって善なのか悪なのか,2)温暖化の原因は二酸化炭素なのか,3)もっと深刻な地球化学環境,及び4)地球環境の近未来予測,について議論することを目的としたシンポジウムを提案する.(一般公募あり.数件程度)

11)沖積層研究の新展開ー地質学と土質工学・地震防災との連携ー(後援 第四紀学会,北海道地質調査業協会)
井内美郎(早稲田大)・木村克己(産総研・k.kimura@aist.go.jp)・北田奈緒子(地質地盤環境研)・岡 孝雄(道地質研)
斎藤文紀(産総研)・田辺 晋(産総研)・卜部厚志(新潟大)

  沖積層について,近年,シーケンス層序・高密度C14年代解析, GPR等の探査技術,大量のボーリングデータベースと情報処理技術などの新しい観点と研究手法に基づいて,高精度な時間・空間・堆積環境の解析が行われてきている.その中で,沖積層の堆積・地盤モデルの3次元化,構造運動やイベント堆積物の抽出,時間分解能などの手法の高度化などの研究課題がクローズアップされている.そして,学会内外からは,各地域の沖積層の対比と沖積層層序の改訂・標準化の必要性が指摘され,土壌汚染・建築地盤・地震動の高精度な評価のために,それに貢献できる精度と内容をもった地質・地盤図やデータベースの構築が求められている.本シンポでは,日本を代表する石狩平野,越後平野,大阪平野,関東平野などでの沖積層研究の最新成果や応用地質学的研究の事例をとりあげて,研究の到達点と今後の課題を整理するとともに,沖積層層序の改訂・標準化,社会に貢献できる地質・地盤図のあり方について議論する機会としたい.

12)地質環境の将来予測と地層処分:予測科学としての地質学
吉田英一(名古屋大)・高橋正樹(日大,takama@chs.nihon-u.ac.jp )・梅田浩司(原子力機構)・岡 孝雄(道地質研)

  地質環境の精度の高い将来予測はこれからのサイエンスとしての地質学にとってきわめて重要な課題である.本シンポジウムでは地質環境の将来予測の可能性について議論を深めたい.特に北海道をケーススタディとして,地質環境の将来予測について,幌延における深地層研究の成果などを参考にして議論を行う.地質環境の将来予測は高レベレ放射性廃棄物の地層処分にも大きな関わりを持っている.ここでは,地質環境の将来予測と地層処分との関わりについても議論する予定である.

13)温室期の気候変動
西 弘嗣(北海道大,hnishi@mail.sci.hokudai.ac.jp)・高嶋礼詩(北海道大)

  地球温暖化が進行していったとき地球の環境がどうなるのか,その未来像を求める様々な研究が行なわれている.一方,過去の地球気候の研究からは現在よりもはるかに温暖な時期がむしろ多いことが知られており,これらの時期の研究を行えば温室地球の未来像を得ることは可能である.特に,約1億年前の白亜紀中期と約5000万年前頃(初期始新世)は,最近の地球史で最も温暖化が進んだ時期として知られている.統合深海掘削計画(IODP)でも「極限気候の解明」として,これらの時期の掘削が重要な初期科学目標としてあげられている.このような背景から,本シンポジウムでは温室期の地球環境に焦点をあて,海洋循環,深層水循環,物質循環,生物相の変化などを議論することが目的である.また,このような温室地球からどのようにして両極に氷床のある冷室の世界へと移行したのかも合わせて考察する.

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