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   伝送遅延変動の最小化 (山口 英, 2000)

データが到着するのに要する時間は,ネットワークの混雑などによって パケット毎に異なる. この変動のことを伝送遅延変動という. 伝送遅延変動が小さいとき,つまり,ほぼ規則正しくデータが送られてくるときは, 問題なくデコードすることができる. 逆に,伝送遅延変動が大きいと,デコード部ではデータを正しく受信できず, 再生が止まったり,再生自体できないということが考えられる.

メルチメディア・サービスを提供する上では,伝送遅延変動が小さい ネットワークが望まれる. したがって,伝送遅延変動が小さいネットワークを構築するための 技術開発が行われている.

図:パケット処理   パケット交換型ネットワークでのプライオリティ制御

パケット交換型ネットワークでは,パケットを単位としてデータのやり取りを 行ってる.

送られてきたパケットはまずゲートウェイで処理される. ホスト A からきたパケットの方がホスト B からきたパケットより先に ゲートウェイ 1 で処理されているとする(右図). すると,ホスト B からきたパケットはホスト A からきたパケットの処理が 終わるのを待たされる. また,送られてくる各パケットの大きさがそれぞれ違っているとすると, ゲートウェイでの待ち時間も変動する. これが伝送遅延変動の原因となっている.

このような問題を解決するために,開発されたのがプライオリティ制御 (priority cotrol) である. プライオリティ制御とは,遅延変動を小さくしたいパケットに優先権を与えて, ゲートウェイで他のパケット処理を待たないようにする方法である.

  回線交換型ネットワーク

回線交換型ネットワークは,送信者と受信者とでエンド・ツー・エンド (end-to-end) に固定の回線を決める. このネットワークでは回線を共有することがないので, 伝送遅延変動はパケット交換型ネットワークよりもずっと小さくなる.

     Last Update : 2001/10/31 (koko@ep.sci.hokudai.ac.jp)