■角運動量保存の法則

はじめに、運動量とは?
質量(m)に速さ(v)をかけたもの
m×v

単位(次元)でみてみると、
kg×m×1/t

これは、ある重さの物体がある速さで動いている時の状態を表している.
わかりやすく、人間で考えてみよう.
体重60kgの人が、速さ1m/sで歩いている状態。
運動量は、60kgm/sという状態。
この状態は、外から力が加えられない限り保存される。
つまり『運動量保存の法則』



では、今,人が回転イスに座っている状態を考える.
その人は,両手を広げて座り,両手には鉄アレイを持っている.
鉄アレイは,それぞれ重さ5sである.
その人は別の人に押してもらい,くるくる回り始めた.
イスの摩擦を考えないとすれば,始めの速さで一定に回りつづけるはずである.
回転中に,その人は鉄アレイを持つ腕を縮めたとしよう.
さて,どうなるであろう?


答えは,回転が速くなるである.
なぜか?これは角運動量が保存されているからである.
円運動の場合,回転軸を中心とした角運動量(L)は,
回転半径(r),運動している物体の質量(m),回転している速さ(v)の3つの量を掛けたものになる.

L=r×m×v

角運動量は外から力が働かなければ保存される.
これが『角運動量保存の法則』である.

上の例では,回転をはじめてから外からの力は働いていないので,この角運動量保存の法則が成り立つ.
運動している物体の質量は変わらず,鉄アレイを持っている手を縮めた,つまり回転半径が縮まったので,回転している速さが増したのである.

回転イスを使った角運動量保存則の実験(realビデオ)

注意:real player では、鉄アレイは持たず回っている。