この研究会では, 研究手段・手法の違いや学会という垣根を意識的に越えて, 惑星についてわれわれは何を知っているのか, 何が分からないのか, 今後研究 を発展させるために必要なもの, 方法は何か, それを若い世代へ継承して行く にはどうすれば良いか, ということについて議論したいと思います. その目標 とするところは, 参加者各人が興味と問題意識を深め, 新たな研究と組織をデ ザインし, 実践する力を高めるきっかけを作ることにあります.プログラムは大きく2部構成です.
ここで取り上げていないテーマもあることも確かですが, 全体の俯瞰図を 迷路に入り込まずに認識することと, 議論の時間をたっぷりとるために, 今回はあえて話題と話者を絞りました.
- 第 1 部: 分野横断型サイエンスの現状
国内の分野横断型惑星科学の最前線のレビューを行います. この中にはすで に開化しつつあるものもあれば, まだ芽生え以前のものもあります.
- 第 2 部: 将来戦略
近未来の惑星科学について, 構想のいくつかをレビューします.
総合討論では, 第1,2部を総括し, 惑星科学の将来をいかに構築する べきか, どのような連係がありうるのか模索します. これは惑星科学の コミュニティ内部に留まらず, その外側 (近隣分野, 納税者,国家) とど う関わって行くかという問題も含まれるでしょう. 討論の目標は, なにか ユニーク解を得るということよりも, 参加者各人が問題意識を鍛え, 既 成の枠組にとらわれない構想をデザインし, かつ実践するきっかけをつか むことにあります. 皆さんの自由な立場からの積極的なコメントをお願い します.
一般講演タイトル(受付順)
- 秋山演亮 (東大理地質D2):AOTFを用いた惑星の分光探査計画 (月, 小惑星)
- 山本 聡 (北大低温PD):衝突実験と惑星科学
- 横畠徳太 (北大理地惑M2):火星古環境下における極冠の形成
- 飯田 彰 (筑波大計算物理セ/神戸大自然D3):原始惑星系円盤へのガス降着 衝撃波
- 黒田剛史 (東大気候セM1):CCSR/NIES AGCMを用いた火星大気シミュレーション
- 小林 浩 (東工大理地惑M1):the effect of steller encounters
- 木下大輔 (東理大 M2):木曽太陽系外縁部サーベイ
- 二穴喜文 (京大理太陽惑星 M2):月周辺で観測された bi-streaming 電子と非 太陽風 ion
- 大滝雄一郎 (東北大理惑星大気 D1):赤外分光法による惑星大気のリモートセンシング
- 大矢 克 (東北大理地物 D3):木星デカメートル電波 S-burst の地上観測
- 土屋史紀 (東北大理惑星プラズマ大気セ 助手):地球周回軌道の in-situ 観測から得られる 木星磁気圏の情報
- 野澤宏大 (東北大理惑星プラズマ大気セ D2):プラズマイオトーラスの光学観測
- 小高正嗣 (北大理地惑/東大数理 D4):火星大気放射対流の数値計算
- 吉田直文 (東北大理地物 M2):夜側逆V型粒子降下領域におけるイオン流出現象の あけぼの衛星-EISCATレーダー同時観測
- 舟橋 豪 (東北大理地物 M1):UVS/のぞみによる星間水素観測
- 武田隆顕 (東工大理地惑 D1):巨大衝突説による原始月円盤の進化
- 設楽伸之 (東北大理地物 B4):原始星(太陽系)形成に関する物理
- 志岐成友 (東大理天文 D3):単独恒星系は存在するか
- 長沢真樹子 (東工大理工地惑 D2):太陽系星雲の散逸とカイパーベルト天体の 軌道進化
- 吉田 敬 (東工大理地惑 研究生):超新星爆発時にヘリウム層と水素層で形成 される軽元素
- 山本真行 (東北大理地物 D3):最近の観測ロケットによる電子密度観測から
- 阿部新助 (総研大/国立天文台 D2):流星&流星痕スペクトルから探る 太陽系の化学進化〜しし座流星群NASA国際航空機ミッション報告〜
- 福西 浩 (東北大理 教授):スタートしたわが国の有人火星探査研究会の 検討方向
- 津川卓也 (京大理太陽惑星 M1):GPS衛星を用いた電離圏電子密度分布の研究
- 高橋芳幸 (東北大理地物 M2):火星大気大循環のモデリング
- 稲田 愛 (神戸大 D1):Mars Imaging Camera 較正の現状
- 藤原 均 (東北大理助手):地球・惑星超高層大気のモデリング
- 西田 究 (東大震研):地震帯域における固体地球と大気のカップリング
- 竹内 覚 (福岡大理地球助手):木星の大循環と雲層構造
- 杉野正彦 (名大STE D1):電離層電流の駆動と沿磁力線電流の関係
- 小川泰信 (名大STE D1):極域電離圏における Ion upfows の研究
- 鈴木 克 (東北大理惑星プ大気セ M1):イオ周辺ナトリウムの光学観測
- 坂野井 健 (東北大理 助手):飯舘望遠鏡による惑星大気の赤外イメージング 観測計画
- 谷川享行 (名大理地球 D1):木星型惑星の成長と周惑星円盤
- 野口克行 (宇宙研 M2):火星夜側電離圏の源について-金星での観測との比較から-
- 松井宏晃 (東北大 D3):惑星(主に地球)金属核のMHDダイナモシミュレーション
- 児玉 理 (東北大 B4):あけぼの衛星によるオーロラ帯トップサイド イオノグラムの解析