$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$ 森羅万象セミナー 第 17 回 $$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$ 時・場所:9/16 (木) 17:00 - 理5号館 201号室 講演 : 富谷朗子 (京大地惑/北大低温研 D1) 『だれが地球に酸素をもたらしたのか? 遺伝子情報から探る 酸素発生型光合成生物の起源と進化』  光合成は太陽からの光エネルギーを化学エネルギーに転換する反応です。光合 成でつくられる有機物は食物連鎖網の土台であり、また副産物である酸素は地球 の環境を大きく変えてきました。いままで、地球上にはじめて酸素を放出したの はラン藻(シアノバクテリア)である、と考えられてきました。しかし、数十億 年前の化石から得られる情報は限られており、 (1)「酸素発生型光合成を地球上で初めて行った生物はどのようなものか?」 (2)「現在の多様な藻類・植物はどのように進化してきたのか?」 の詳細は不明でした。  この二つの疑問に対し、話者は現生(=今地球上に生きている)生物の遺伝子を 解析し、過去の経歴を調べる"分子系統学的手法"からアプローチしています。そ のなかで"原核緑藻類"という小さなグループを鍵として調べた結果、「最初に酸 素を発生したのはラン藻ではなく、さらに祖先的なタイプの光合成生物が存在し た」、という新しい進化のシナリオが導かれました。  今回のセミナーでは、酸素発生型光合成生物の起源とその多様化の過程について、 分野や手法の背景も合わせてお話しする予定です。 第 18 回以降の予定 9/21 (火) 津田敏隆 (京大超高層電波研究センター教授) 『中層大気中の大気波動の観測的研究』 9/後半 見延 庄士郎 (地惑 助教授) 『北太平洋大気・海洋の数十年変動 −大気海洋結合システムはワルツを踊るか?−』 10/14 (木) 廣田 勇 (京大理教授) 『ラプラスから200年・・・・大気波動論の歴史と現状』 10/X 森田英章 (数学 DX) 『無限可積分系、特にある種のソリトン方程式の話』 渡部重十 (地惑 教授) 『近未来の惑星大気探査 (仮題)』 話題希望要望サポーター、大募集中です ※諸事情により、変更や追加のある場合があります。 --- セミナー幹事:倉本 圭(Kuramoto Kiyoshi)      北海道大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻 助手      Room:理学部3号館307号室      Phone: 011-706-3567, Fax: 011-746-2715 E-mail: keikei@neko.lowtem.hokudai.ac.jp