$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$ 森羅万象セミナー 第 33 回 $$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$ 時・場所:3月15日 (水) 16:00〜18:00 電子科学研究所 5階 N502 講演 1 (60分): 林 祥介(理,地惑) 『回転球面乱流: ロスビー波と角運動量輸送』 地球・惑星大気に見られる平均東西風分布の縞帯構造解明に端を発して, 回転球 面上で流れ場の構造を調べることが行われて来た. そのなかの問題の一つに, 乱流 状態にある場が自然に散逸していく際にどのような角運動量分布に至るか, という 問題がある. 回転球面上では, 平面上の 2 次元流体とは異なり, ロスビー波とい う構造がある. 2 次元乱流の特色であるエネルギーの逆カスケードは, 回転球面上 においてはロスビー波の生成に終ることになる. 数値実験によれば, 系の自転角 速度に応じて系統的な縞帯構造があらわれるのだが, これはロスビー波にともなう 角運動量輸送としてある程度理解できる. 講演 2 (30分):柳田達雄 (北大・電子研) 『Computational Geomorphology (雲と川のモデル化)』 雲や川など地球サイズの現象は様々なパターンを形成する。雲は積乱雲、積雲、 層積雲など、また、川は直線流、蛇行流、網状流と多様な流れ形態を持っている。 これらのパターンがいかなる状況で起こり、生成されるかはよく分かっていない。 ここでは数理モデルの構成とシミュレーションを通してパターン形成のメカニズ ムを探るこころみを紹介する。 講演 3 (30分):飯間 信 (北大・電子研) 『はばたき運動による飛行』 昆虫の飛行メカニズムについては未解明な点が多く、活発に研究が行われてい る。特に蝶は同サイズの他の昆虫と比べて少ない振動数ではばたき飛行を行って おり、特別なメカニズムが存在することが予想される。ここでは上記のことがら を踏まえ、2次元空間でのはばたき飛行モデルを解析した結果を報告する。この モデルは2枚の板が蝶つがいで繋がれ、軸を水平に保ちながら上下に運動する様 子を(軸に垂直な面に)射影したものである。この場合翅から剥離した渦が揚力生 成に寄与するが、その渦の動力学を考えることで、たとえはばたき運動が水平面 に関して対称であっても『蝶』は一方向に進むことが(実際の蝶を含む、あるパラ メータ領域で)可能であることを示す。 (柳田達雄氏との共同研究) --- 次回以降の予定 日未定:森田英章 (数学 DX) 『無限可積分系、特にある種のソリトン方程式の話』 日未定:渡部重十 (地惑 教授) 『近未来の惑星大気探査 (仮題)』 ※諸事情により、変更や追加のある場合があります。 ※話題希望要望サポーター、大募集中です --- セミナー幹事:倉本 圭 (Kuramoto Kiyoshi)      北海道大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻 助手      Room:理学部3号館307号室      Phone: 011-706-3567, Fax: 011-746-2715 E-mail: keikei@ep.sci.hokudai.ac.jp