$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$ 森羅万象セミナー 第 71 回 http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~sinra/ 横畠 徳太 (北海道大学地球惑星科学専攻) 『火星表層の二酸化炭素, 水と気候変動』 日時: 6 月 24 日 (月) 16:30 -- 17:30 場所: 5 号館 201 号室 $$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$ [講演要旨] 現在の火星は非常に寒冷 (平均気温 -56 度C) な気候を持つ惑星である. 大気 の主成分は二酸化炭素 (96 %) であり, その圧力は非常に低い (6 mbar, 地球 の 1/200). しかしながら中低緯度域には地球の谷地形や堆積層に似たものが存 在し, それらは様々な地質学的年代を持つ. このため火星では過去において 液体の水が存在するような温暖な気候が繰り返し実現されてきたと考えられて いる. 温暖な気候は現在に比べてはるかに高い圧力を持つ二酸化炭素大気の強 力な温室効果によって実現していた可能性が高い. 二酸化炭素大気圧と地表温 度の大きな変動を引き起こす機構に関してはこれまで様々な研究がなされて来 たが, どのようなメカニズムによって気候変動が繰り返されたのかということ は大きな謎である. 火星気候変動の謎を明らかにすることは, 地球型惑星の表 層環境がそもそもどのように決まるのかということにつながる非常に重要な問 題である. そこで本研究では, 従来考えられて来なかった水の氷の効果を考慮した気候モ デル (2 次元エネルギーバランスモデル) を構築し, 火星気候変動のメカニズ ムについて調べた. これにより気候変動の新たなシナリオ(CO2-H2O アイスアル ベドフィードバック) を提案する. 参考文献と URL: Yokohata, T., M. Odaka and K. Kuramoto, Role of H2O and CO2 Ices in Martian Climate Changes, Icarus, in press, 2002. http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~yokohata/work/paper/icarus_2002/main.pdf -*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*- 北海道大学大学院 理学研究科 地球惑星科学専攻 惑星物理学研究室 博士課程 1 年 高山 歌織 (TAKAYAMA Kaoru) E-mail: kaorun@ep.sci.hokudai.ac.jp Tel: (011)706-4494 (内線 4494)