八水随筆
《八水随筆》

○元文の初年。予が槍術の師徳永氏と内藤山城守殿へまねかる。用人松村勘右衛門と云仁。かれ是あいさつにて。 種々物語の序に。浅草観音に久米平内兵衛石形あり。是則勘右衛門祖父のよし。世に久米は角力者とも云。 車引などゝも云。勘右衛門咄には。世々処士にて富家。馬も二匹まではつなぎしなり。剛毅の質にて。力わざをこのみ。 件の石形存生の内に作りなして。死後に印となすべしとて。庭にすへおきしとなり。其事歴々たれども。 石形つたなければ。其跡いやし。雅を学ばざる人の失知るべし。
記録・随筆・紀行に戻る

坪田 敦緒 / tsubota@ep.sci.hokudai.ac.jp