小袖曾我薊色縫
《小袖曾我薊色縫第壱番目大詰》同湖水対面の場

近江さもそうづ。さもありなん。然し河津を討たるは。主人祐経様ではない。股野の五郎景久なるハ。
箱王
祐成
なんと。
ト大小入り合方に成り。
近江思いぞ出づる其時は。安元二年神無月。十日余りの事なりしが。伊豆相模の若殿の原。赤沢山の晴れ角力。 股野は聞ゆる力強。二十壱番勝に乗り。
八幡広言吐きしを憎しと。祐康土俵へ飛入って。股野を投し河津掛け。既に角力もそれまでにて。あっぱれ力者の祐康と。勝誇ったる帰り足。
(中略)
ちょこコレおちょぼ。昨日買に来たのは大坂か。
ちょぼ何。江戸の両国さ。
ちょこ江戸ならどふぞ行たいものだ。
ちょぼ行たいと言ったとて。外聞の悪い。お前とわたしと角力を取って。投られる度に岩戸お見せろと。わたしゃ恥づかしくって厭だよ。
ちょこそいつアいゝじゃアねへか。見物より俺が楽しみだ。
ちょぼ助平な事を言いなさんな。毎晩見ているくせに。
ちょこにしろ。いゝ加減に出かけよふぜ。
ちょぼほんに雑用斗り溜っていかないよ。
ちょこサア。早くお祭りへ参って来よふ。

同…箱根。
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坪田 敦緒 / tsubota@ep.sci.hokudai.ac.jp