傾城買四十八手
《傾城買四十八手》序

  四十八手叙
千手観音はさらなり。薩摩守忠度は。一本の手にさへ。六弥太をとつて投のけたまへば。蚰も足が手ならば。 やみやみと翠簾紙に包て。捨られはせまじと謐き。茨木童子も。大江山の骨牌場で。手のつかぬ事を嘆しよし。 紙雛も宝の蔵に居ながら。手の空を哀も理ぞかし。されば傾城をころすも。手にあらずして何ぞや。故に今新手を尽して。 其題を四十八手とよぶ。是を以て則無手客の愚鹵に授よと。我にあたえしは誰なるぞ。何にもせよ此一冊の四十八手がてんのゆかぬ
山東
  京伝述
     印
  寛政ふたつ
    戌の春日
物語・小説に戻る

坪田 敦緒 / tsubota@ep.sci.hokudai.ac.jp