しのだつま
《しのだつま》
こゝに又あべの権太左衛門やすなは あべのどうしをふごにのせ 中にない 女ぼうくずのはもろ共 ふぢゐ寺のふぢ見に やつしすがたで こうたぶしで出
やすないゝけるは こふしてふう婦づれで出た所は どふのいへぬをもしろい事ではないか 何とこゝで一はいのむまいで有まいか はてわけもな ようよう半町程はかまだこぬに はやのまふといわしやんすか おしいではござんせねど 酒をしんぜるとあしが立ませぬ やすな われはいな事をいふものじや さけをのふでいつあしのたゝぬ事をみた はて 此中もしよや殿のふるまひに さけによはしやんして あしが立ませなんだは それはしよや殿いかいちそうであつたによつて わざとゑたふりをした ゑはぬせうこには 其夜 けうにすまふがあつた 八兵へを三ばん取てなげ 又しんでんの作兵へを三ばんなげる 夜ふけてからしよや殿のおいまを二ばんなげた くずのは聞て 何とおいまとすまふとつたといわしやるか 扨もいたづらな人ではあるぞ おれをいたづらなといふが そちがいたづらものじや なんじや わしをいたづらな □□たのいたづらなしやうこには わしをばふてのかさんした 是がいたづらではござんせんか ばふたよりばはれてくるがいたづ□□はないかと せりあへば どうじは ふたりながらいたづらじや 其せうこにはふたりの中にをれができたといふ 二人は打□□ひ 天王寺にて たがひに見そめなれそめし ちわ物がたりさまさまし 花のもとへ行 やす□ゐる
□□たの…こなたの。
いたづ□□はないか…いたづらではないか。
打□□ひ…打わらひ。
やす□ゐる…やすみゐる。
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坪田 敦緒 / tsubota@ep.sci.hokudai.ac.jp