夢の浮橋
《夢の浮橋附録》
翅角力といふ歌
都にも住まじりけり角力取りひなはつばさのをりどころ西のかたには渡り鳥東の関は明ケ烏△柏子木たゝく木つゝきにつゞいて出たる名とりものきんけいとりのきんこからじゆずかけ鳩の入ぼくろ小雀を先へ土俵入△既に角力もはじまれば行司はうちは持かへてあふぐ扇を庭鳥のもゝだち取りてたかたかとかちいろ名乗る声上てけふの出かけは四十雀おひずもなれどこうしやにて見事にまけたみそさゞゐ△次はことしの出来物と鶯の名は谷渡り我も我もと出る中に進み過してせきれいが砂水あびて逃込はあをい目白の飛入をふくら雀の腹やぐら△こまはひしくが得手のもの上手にすかすかはぜみかまへがみとけて肩すかし家鴨はかもの入首を刎かへしたる勝角力ふとんの砂のはたらきで中入とこそ見へにけり斯て呼名はねりひばりよいつり合を飛て出たまちかね山の時鳥是にははなと呼古鳥菊頂の預りは△鶉はあたますり付てみつあいとけた尾なが鳥勝負なしとぞ別らるゝ雉子は元より短気にてちから自慢のつき出しに鷺は片足踏出して鵜の目たかのめばん鳥の目にもめたしこぎやうぎやうし△いたりきたりのつばくらや首を延せしとうどりの鶴とはしれて一声にしづまりかへる閑子鳥是今日のむすびぞとわしとしやむとの立合につかまれまいと裸身を飛上りしがうき足にわらひと共にひやうしよくやぐら太皷をうちつれて翌はあく鳥めいてうと触てありくも繁昌におさまる御代のへ
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坪田 敦緒 / tsubota@ep.sci.hokudai.ac.jp