![]() | 平成十七年三月場所八日目観戦記 そ の 三(平成17年 3月20日) |
土俵に戻ろう。現役最年長一ノ矢は今年も健在、泰然として西花道より入場した。まさしく穏やかに、一見春風駘蕩たる様子すら見えるのだが、
相撲は全く裏腹で、厳しい取り口をもって身上とする。相手は大立象(だいりっしょう)、その突っ張りを受け止めるや右へ去なして崩した。
大立象が向正面を右へ右へ逃げて網打ち気味に振れば、一ノ矢は一気に突っ走って軍配を貰った。
物言いがついて同体取り直し、あとでビデオを見れば、一ノ矢の右足が踏み越しているので無理もないか、というところ。
無論現場では分からないけれど。取り直しでも大立象は突っ張り、次いで頭を下げたが、一ノ矢はさすがに落ち着いている。
左から素首を掻いて快勝して見せた。
この日は下位の相撲から面白く、ひどい時には三段目あたりの相撲で眠気に襲われることさえあるのに、今回は全くそのようなこともなく、大いに楽しませてもらった。
やたらに高い、しかも両手の喉輪にいって二本差されたりとか、何でこんなところで…という予測不能の大博打的な相撲もたくさん、これも下位ならではと言えようか。