POV-Ray は Persistence of Vision Ray Tracer の略で、高品位な3次元 画像を作成するソフトウエアです。3次元画像を作製する方法はいろいろ ありますが、POV-Ray では名前が示しますように「レイトレーシング法」 を用いています。レイトレーシング法とは「光線がどのように反射、 屈折するのか、ある物体にぶつかったときにどのような影響をうけるか」 ということを追跡しその作用を計算することによって画像を作成する 手法です。
3次元画像を作成するには「shade」などのようにマウスでポリゴンを 3面図相手に操作するというイメージをもつかと思いますが、POV-Ray は基本的にエディタさえあればなんとかなります。もちろん複雑な 画像を作成したい場合には「モデラ」と呼ばれるソフトを使って ポリゴンをあやつりそれを POV-Ray で計算させるということも可能です。
POV-Ray は http://www.povray.org/ より入手可能です。2002年7月にバージョンが 3.5 になりました。 現在はまだ Windows, Mac, Linux版しかありませんが、8月にはソースも 公開される予定ですので、さまざまなプラットフォームでも動作可能 となります。どのプラットフォームでもプログラムが動くということだけ でも素晴らしいのですが、テキストで画像を説明しているため、どの プラットフォームで実行させてもまったく同じ画像ができあがります。 もちろん計算時間はそれぞれ異なりますが…
以下の説明では Linux版で話を進めます。
povlinux.tgz というファイルを展開してその中にある install スクリプト を実行するだけです。2002年7月現在はバイナリ配布のみですので特にインストール に困ることはないでしょう。/usr/local/lib/povray-3.5 ディレクトリに POV-Ray の一式が、/usr/local/bin に povray というコマンドがそして /usr/share/doc/povray-3.5 ディレクトリにドキュメントがインストール されます。
つづいて環境設定ファイルをホームディレクトリにコピーします。
$ cp /usr/local/lib/povray-3.5/ini/povray.ini ~/.povrayrc |
以上で前準備は終了です。環境ファイルは自由に設定してください。