- キーノートスピーチ
- 国際関連報告
- JPNIC からの報告
- JP Domain Update
- JPCERT/CC 活動報告
- IPv6 Update
- IDN と DNSQC (聴講しておらず)
- JNSA 活動報告 (聴講しておらず)
今年のネットワーク状況を端的に表現すると以下のようになる.
ブロードバンドを使うための価格が大幅に下落しつつある. 他国と比較してもこの価格は驚異的. 接続料金が世界一高い国から 世界一低い国へ転換.
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ADSL の平均価格. http://www.kakaku.com/bb/img/heikinbbka_adsl.gifから取得 |
APNIC 等, アジア太平洋域でのネットワーク活動の組織化が 図られている. また衛星回線を使ったインターネット展開を進めている. インターネット禁止国に対してもデータを送信 (相手からのパケットはカット -> インターネットでない?!) し, 実質的にインターネットを普及させようとしている. 言い替えれば, 相手をインターネット依存症にしてしまい, 導入せざるをえない状況に追い込んでいるに近い. 通信されているのは遠隔授業のデータだそうだ.
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アジアへの展開 http://www.cs.ait.ac.th/conf/unu/ai3-map.jpgから取得 |
IPv6 が当り前になり, インターネットを実社会で応用しようという動きが 始まりつつある.
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名古屋でのインターネットタクシー. 上部に見えるのはデータをやりとりするためのアンテナ. | 助手席の右側に取り付けられたタッチパネル式端末 |
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2002/0129/iits.htmから取得 |
無線 LAN (IEEE802.11b)の爆発的な普及とあいまって, どこでもインターネットに 接続できることがあたりまえになりつつある.
ITF のミーティング, FIFA ワールドカップの際, 成田から横浜までシームレスな 無線 LAN アクセスを可能にする実験が行われた.
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成田エクスプレスでの接続イメージ | 座席からインターネット |
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2002/0717/wj01.htmから取得 http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2002/0523/nex.htmから取得 |
2002 年 10 月, DNS のルートサーバ(M)が DDoS 攻撃を受けた. 十分に太い回線につながっていたために実質的な被害はほとんどなかったが, 「ルートサーバの破壊 => ネットワークの壊滅」が「社会問題」として 大きく騒がれることとなった. 「社会問題」として扱われることは, 今までには考えられなかったことである.
世界の中の日本ということで, 最近の ICANN の動向, 国際ドメイン名の動き, アジア太平洋域での動きが報告された.
特筆すべきはアジア太平洋域の連係が活発化していることである.
JPNIC からの報告では IP 事業, ドメイン名事業, インターネット推進事業の それぞれに関して報告があった.
JPRS からJPドメイン名登録管理業務の移管が報告された. 基本的に JPNIC 報告の「ドメイン名事業」に同じなので詳細は割愛.
JPCERT からの報告では, まず始めに JPCERT の位置付け(情報センター, 問題解決のサポート)と JPCERT の活動内容が紹介された. その後, この 1 年のインシデントの傾向が語られた.
最近の傾向としては, 弱点探査としてのポートスキャン・プローブは当然として, 知られているありとあらゆる不正アクセスがなされているそうだ. 不正アクセスの初期段階としてポートスキャンが用いられることから, きちんとログを解析しポートスキャンを監視することの重要性が語られた.
ブロードバンド時代の DDoS 攻撃の持つ脅威について語られた. ブロードバンド時代は常時接続・数 MB の帯域は当り前になので, エンドユーザでも簡単に帯域を潰すことが可能になる. 今年はついにルート DNS サーバも DDoS 攻撃を受ける対象になってしまった. 実効性のある対策はいまのところなく, サーバの体力次第である.
セキュリティ管理とは, という話もなされた. その言葉を拾っておく. 心に止めておくべき内容だと思う.
さらに CERT 同士の連係が語られた. 現在アジア太平洋地域の CSIRT の連係が 模索され, APSIRC が設立された.
IPv6 最新動向では, この 1 年での IPv6 関連の動きがまとめられた. IPv6 は日本が積極的にリードしている部分である. 日本発のアドレスポリシーが正式文章として採択され, 世界から 日本の持つノウハウの提供が求められている. しかし, まだ IPv6 を用いたビジネスモデルが描けていないそうだ.
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▲ 2002 年度座学編へ | 作成日:2003/01/21(杉山耕一朗) | Copyright © 2002 EPnetFan | ||
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