大正十四年頃 スキー部部歌 相川正義君 作歌 小野鉄之助君 作曲 1. 見よや若人 見はるかす 北山脈の 頂に 巨人の息は 凝り果てて 冬厳に 訪れぬ 2. 冬こそ男性 雄々しかる 自然の息吹 荒くして 人無き山岳 いや高く 吾呼ぶ声の なつかしき 3. 切なく昏き 人の世の 夢む杯 打ち砕き 吹雪く樹林に 躍り入り スキーを炬火と 燃えしめん 4. 繚爛花の 粧は 凍土深く あせたれど 雪の野征矢と 馳せ違ふ 頬紅に 誇りあり 5. 窮まる林 幻想に 打ち黙しつつ 尋め行けば 故郷恋ふる 旅人の 肩に降り散る 雪崩 6. その頂の 樹氷かみ 今立ち返る 麓へと 指さす方に 雪は映え 聖き思ひに 奢るなり 7. シルバーシャンツェに 陽はくれて 谺ひびける 谿間に 描きつくせし スプールを 顧みる身の 歓喜よ 8. 窓に私語めく 粉雪に 雪煙湧く 滑走の 胸とどろかす 男の子等よ 明日の飛躍に 幸あれや